日本の外務省が「チクングニア熱」と「ジカウイルス感染症」に注意喚起
日本の外務省は2025年11月21日、蚊が媒介する感染症である「チクングニア熱」および「ジカウイルス感染症」について、それぞれ広域情報を発出し、海外渡航者・滞在者に注意喚起を行いました。中南米、アフリカ、アジアなどで感染が続いており、外出時の虫除け対策や早期受診の重要性が示されています。
〈特徴〉発熱、関節痛、発疹が主な症状潜伏期間は2〜12日(多くは3〜7日)関節痛は数日で回復することが多いものの、長期化する例も報告
乳幼児・高齢者は重症化リスクが高い
〈感染経路〉ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどに刺されることで感染し、人から人へ直接感染することはありません。
〈治療〉特効薬はなく、対症療法が中心。休養と水分補給が不可欠。
ジカウイルス感染症
〈特徴〉軽度の発熱、発疹、結膜炎、関節痛、倦怠感など症状が出ないケースも多く、デング熱やチクングニア熱より軽症とされる
妊娠中の感染は胎児に小頭症などの先天性障害をもたらす可能性
〈感染経路〉蚊に刺されることで感染。さらに、輸血・性行為での感染、妊婦から胎児への感染が報告されています。
〈治療〉ワクチンや特異的治療法はなく、対症療法が行われます。
〈性行為に関する注意〉流行地域滞在中は症状に関わらずコンドームの使用や性行為を控えることが推奨され、帰国後も一定期間の注意が必要とされています。
共通する予防策
チクングニアウイルス・ジカウイルスの媒介蚊(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ)は、都市部でも繁殖します。以下の対策が効果的です。
長袖・長ズボンで肌の露出を抑える露出部分に虫除けスプレーを使用網戸・蚊帳の利用で室内への蚊の侵入を防ぐ電気蚊取り器・蚊取り線香・殺虫剤を活用規則正しい生活・睡眠・栄養で抵抗力を維持
空容器の廃棄や貯水容器の蓋閉めなどで蚊の繁殖源をなくす
症状が出た場合
突然の発熱や発疹など、これらの感染症が疑われる症状が出た場合は、早めに医療機関を受診するよう外務省は注意を呼びかけています。帰国時または帰国後も異変があれば、検疫所や医療機関へ渡航歴を伝えて相談するよう求められています。
在留届・たびレジの利用を推奨
3か月以上滞在する場合…在留届の提出短期旅行・出張の場合…海外旅行登録「たびレジ」への登録
万が一の際に、関連情報が迅速に届く仕組みです。