トルコ中銀が緊急会合、翌日物貸出金利を引き上げ-リラを下支え
- トルコ・リラは19日に一時11%安、大統領の政敵拘束で混乱広がる
- インフレ悪化が見込まれる場合には政策スタンス引き締めへ-中銀
トルコ中央銀行は20日の緊急会合で、翌日物貸出金利を2ポイント引き上げた。リラを支え、通貨下落がインフレに及ぼす影響を緩和するのが狙い。
エルドアン大統領の主な政敵の拘束をきっかけに金融市場で混乱が広がり、トルコ・リラは19日に一時11%下落した。
トルコ中銀はウェブサイトに掲載した声明で、「こうした状況がインフレ見通しに及ぼし得るリスクを評価し、金融政策の引き締めスタンスを支えるべく措置を講じた」と説明。「インフレが著しくかつ持続的に悪化すると見込まれる場合には、金融政策スタンスを引き締めていく」と続けた。
同中銀は政策金利である1週間物レポ金利は42.5%を据え置いたが、翌日物金利は46%に引き上げた。これにより銀行が資金を調達する際の平均コストが押し上げられ、金融環境のさらなる引き締めにつながる。
エルドアン氏の主要な対立者候補であるイマモール・イスタンブール市長の拘束を受け、19日の金融市場でトルコ資産は売りを浴びた。ただ、政治的に混乱が見られても従来からの経済政策の転換にはつながらないとの見方から、20日には持ち直した兆候が示された。
ジェネラリ・インベストメンツの新興国市場ストラテジスト、ギヨーム・トレスカ氏は「これは中銀に対する信頼性の裏付けであり、前日の出来事は2023年から実施されている従来からの政策の変更というより、政治的なものだ」と述べた。
事情を直接知る中銀当局者がブルームバーグに語ったところによると、国内金融機関は19日に80億-90億ドル(約1兆2000億円-1兆3400億円)を売却し、リラ相場の変動を抑えた。
原題:Turkey Raises Overnight Rate in Shock Meeting to Boost Lira (1)
(抜粋)