【地球の1日はかつて2時間以上長かった?】月の距離が生命進化の爆発を引き起こした可能性(スペースチャンネル)
地球の自転速度と生命進化の間に意外な関係があったかもしれない——。最新の研究によれば、過去に地球の1日が現在より 約2.2時間長くなる変化 が2度発生し、それが生命の多様化や進化の大事件と関連している可能性が浮上しました。
■ 月と地球の“引っ張り合い”がカギ
月の公転のイメージ 出典:Rfassbind現在、月は地球から約38万4,400km離れています。しかし誕生初期にはもっと近い位置を公転していました。月は地球に潮汐力を及ぼし、地球の自転をわずかに減速させながら、自らは徐々に遠ざかっていきます。その結果、1日の長さが延びてきたのです。このままのペースで進むと、5万年で1秒、1億8千万年後には1日が25時間になる計算になります。
研究を発表した中国・成都理工大学は、7億年前から2億年前にかけての海洋堆積物「タイダライト(潮汐堆積物)」を解析しました。これらは潮の強さを記録しており、当時の海の厚みや潮汐周期を反映しています。
解析の結果、地球の自転速度は 「階段状」に変化 していたことが判明しました。2度の急激な日長の伸びと、その後の安定期が交互に訪れていたのです。研究チームは、この期間に月が平均で2万kmも遠ざかっていたと推定しました。
■ カンブリア爆発と日長変化の一致
カンブリア爆発のイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)最初の大きな変化は約6億5,000万〜5億年前。この時期はちょうど「カンブリア爆発」と呼ばれる生命進化の大事件に重なります。三葉虫やアノマロカリスなど多様な生物が一斉に出現し、生命の複雑性が飛躍的に増した時代です。
研究チームは、日照時間の延長が光合成や海洋の酸素供給を強化し、大酸化イベントを促した可能性を指摘。これが生命多様化の引き金になったかもしれません。
2回目の変化は約3億4,000万〜2億8,000万年前で、地球が巨大な氷床に覆われていた時代と重なります。ただし、氷河期そのものが自転変化を引き起こしたわけではなく、やはり潮汐力の影響が主要因だったと研究者は述べています。
今回の成果は、単に地球の“時計”を解き明かしただけでなく、生命進化の環境条件を探る新しい視点を与えました。結果は慎重に解釈すべきとしながらも、月の動きと地球環境、そして生命の歴史は密接に絡み合っていると強調しています。皆さんは我々生命の進化と1日の長さがどのように関係していると思いますか?ぜひコメントお待ちしています。
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