Googleがサムスンと共同開発のMRヘッドセット「Android XR」を発表

Image: Samsung

いくらだったら買うかな…。

Google(グーグル)から、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)デバイス用OSとなる「Android XR」が正式に発表されました。以前から「Google Glass」などAR技術開発に力を入れてきたGoogleですが、「Android XR」ではこれらの機能に加えて、AIアシスタントのGeminiが搭載されます。

ついにGoogleが動いた

第一弾として登場するのは、MRヘッドセット「Project Moohan」。2025年の発売に向けてSamsung(サムスン)と共同開発中です。韓国語で“無限”を意味するMoohanという単語を冠しました。こちらのヘッドセットは、Meta Quest 3やQuest 3S、Apple Vision Proに見られるような目立ったARセンサーをあまり備えておらず、比較的シンプルなデザインとなっています。

また、MoohanはARファーストのデバイスになるようです。ユーザーは視線操作とピンチ操作でアプリを選択し、拡張現実環境内の大きなウィンドウに表示されます。サムスンは2024年11月、XR計画について示唆しましたが、今後発売されるデバイスについての詳細は、そのほとんどが明らかになっていません。

サムスンによると、MRヘッドセットとスマートメガネには内部ディスプレイ、パススルー機能、自然なマルチモーダル入力が搭載されるとのこと。このデバイスは、Ray-Ban Metaスマートグラスと同様に音声で制御できるようになり、目と手の追跡機能が搭載される可能性が高いようです。

Android XRは、GoogleマップやYouTubeなどの一般的なAndroidアプリ上でのXR機能を実現するそう。ちなみにこの機能は、まだ不具合のあるとはいえYouTubeアプリを通じて、Meta Questでも利用可能です。

Video: Android Developers / YouTube

Androidメーカーによると、Android XRの最大のポイントはAI、つまりユーザーに代わってデバイスをコントロールするAIを促進することだそう。これはAndroid XRでもあり、GoogleのAndroid担当代表であるサミール・サマット氏は、「同社のARプラットフォームのマルチモーダルAIによって、これらのデバイスを自然で直感的な方法で使用できるようになる」と声明で述べています。

なおMetaは、現在ARグラス「Orion」を開発中です。Appleもスマートグラス分野への参入を進めています。一方のGoogleは「Google Glass」の終焉後、ARグラス分野での目立ったニュースはありませんでした。Androidエコシステムの新しい形を構築しながら、サムスンに主導権を委ねているのが現状です。モバイル版Androidと同様に、Googleはより多くの企業が同様のハードウェアを提供することを期待しているようです。

先日、Meta Quest Proの販売終了が正式にアナウンスされましたが、理由の1つは高価格帯だったことが考えられます。「Project Moohan」のお値段も気になるところですね。

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