EUの対ロ制裁強化案承認へ、スロバキア首相が賛成の意向
7月18日、ウクライナに侵攻したロシアに対する欧州連合(EU)の包括的な制裁強化案に反対してきたスロバキアのフィツォ首相(写真)は、採決で賛成する意向を表明した。5月15日、ハンドロバで撮影(2025年 ロイター/Radovan Stoklasa)
[プラハ 17日 ロイター] - ウクライナに侵攻したロシアに対する欧州連合(EU)の包括的な制裁強化案に反対してきたスロバキアのフィツォ首相は、18日の採決で賛成する意向を表明した。
スロバキアはこれまで、ロシア産天然ガスの調達を2027年末にかけて段階的に廃止することを目指すEUの別の計画によって自国が損害を受けると反発し、受ける損害への補てんを要求していた。 もっと見る
フィツォ氏はフェイスブックに投稿した動画で「現時点では、18日も(対ロシアの)第18次制裁包括案を阻止し続けるのは逆効果だと考えている」と語った。
複数のEU外交筋はロイターに対し、EU加盟国の大使級会合を18日午前に開き、制裁案を承認する予定だと明らかにした。承認には全会一致が必要となる。
制裁案は6月に策定され、ロシアのエネルギー収入や銀行、軍需産業を標的としている。EUの外交官らによると、ロシア産原油の価格上限を過去3カ月の平均価格より15%安い水準に抑えることが含まれている。
また、ロシア産天然ガスをドイツに輸送する海底パイプライン「ノルドストリーム」を通じた取引や、制裁回避に関与する銀行との取引も禁止される。
スロバキアはロシア産ガスの34年までの調達契約を結ぶなどでロシアからエネルギー供給を受けており、ロシアに対して友好的な立場を示してきた。これまでは制裁案に繰り返し反対し、否決に追い込んでいた。
複数のEU外交筋によると、ロシア産原油への上限価格設定案に難色を示していたマルタも17日夕、18日の制裁案採決で賛成すると表明した。
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