Apple伝説のデザイナーがiPhoneで後悔していること
ガジェット界において伝説のデザイナーといえば、ジョニー・アイヴ氏の名前を挙げる人は少なくないはず。インダストリアルデザイナーとしてApple(アップル)に長く在籍し、iMac、iPod、そしてiPhoneなど時代のアイコンとなるプロダクトを多く手がけました。現在は独立し、LoveFromというデザイン会社を起業し活躍を続けています。
決済プラットフォームStripeのインタビュー番組にアイヴ氏が登場。自身が生み出したプロダクトが社会悪に繋がったと語る場面がありました。
iPhone誕生に後悔も?
アイヴ氏が問題視しているのは、現代のスマホ・SNS中毒。とくにソーシャルメディアは社会悪だといいます。そして、その社会悪を生み出した責任の一旦は自分にあるとも語りました。
私が深く関わったプロダクトの中には、よい結果とは程遠い意図しない現象が起きてしまったものもあります。私は、たとえ意図したものではないにしろ、その責任の一旦は自分にもあると考えています。
どのプロダクトと名言しなかったものの、つまり、iPhoneという大ヒット商品が世に出たせいで、人はスマホに夢中になり、そのスマホを介したソーシャルメディアにさらに夢中になり、社会悪誕生を助長してしまったと言いたいわけです。
スマホに代わるAI端末
インタビューでは、AIについて触れる場面もあり、「AIで勇気づけられるのは、AIが議論されるとき、安全性について適切な懸念が語られないことは稀だということです」とアイヴ氏は語っています。
アイヴ氏は、OpenAIとともにスマホに代わるAI端末の開発に携わっています。彼は、iPhone誕生で後悔していること・感じている責任を、このまだ見ぬAI端末で解決するつもりなのでしょうか。
AIでは早くから安全性が積極的にディスカッションされることに好感を抱いている様子のアイヴ氏。どんな端末構想があるのかまでは語られませんでした。
AIにおいて鍵となるのはトレーニングデータ。そのデータを収集するため、OpenAIは自社の独自SNSを開発中とも言われています。
…アイヴ氏の葛藤が、OpenAIとのタッグで晴れる日ははたしてくるのでしょうか。
AI端末は、昨年ちょっと盛り上がったジャンルです。Rabbit R1や元Apple社員が開発したHumane AI Pinが話題になりました。が、両方ともに技術がアイデアに追いついておらず、日常使用できるレベルには至っていません。Humane AI Pinは早々にディスコンを発表、技術などの資産はHPに売却する形で幕を閉じました。