【まるで瞳のような目玉星】に生命が存在できるかも? 宇宙望遠鏡が見つけた“アイボール惑星”に注目
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、液体の海を持つ系外惑星を発見したかもしれません。地球から約50光年先、くじら座に位置し、表面には“瞳”のような中心に海を持つ「アイボール惑星」である可能性が示されています。
“ミニ・ネプチューン”ではなく“氷と海の惑星”だった?
地球、LHS 1140 b、海王星の比較 出典:Aldaron2017年に初めて発見されたこの星の名前は「LHS 1140 b」。当初は「ミニ・ネプチューン」型で、メタンやアンモニアを含んだ濃い大気のガス惑星と考えられていました。
しかし、最新のJWSTの観測データによれば、より氷が多く、水に富んだ惑星である可能性が浮上。固体の氷に包まれた外殻と、恒星側に面した一部が液体の海という、まさに「アイボール(眼球)」のような構造が予測されています。このような特性から、これまで発見された系外惑星の中でも生命探査の有力候補として注目を集めています。
LHS 1140 bは地球の約1.73倍の大きさ、5.6倍の質量を持ちます。公転周期は約25日と非常に短く、自転と公転が同期(潮汐ロック)しているため、常に同じ面が恒星を向いているのが特徴です。
つまり、昼側は恒星からの熱を受けて温まり、夜側は凍りついた極寒の世界。このため、昼側中央には直径約4000kmの「海の目」が形成されていると考えられています。その水温は20度程度であり、液体の海が存在可能な“ハビタブルゾーン”に入っているというのです。
大気に「窒素」の兆候、さらなる観測に期待
LHS 1140 bの惑星のイメージ 出典:NASAジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測データを用いた解析では、LHS 1140 bに窒素を含む大気の存在の兆候も見つかりました。もし大気が窒素を多く含んでいるなら、液体の水を長期間維持できる環境になる可能性も示唆されています。
ただし、さらなる観測が必要であり、今後数年をかけて炭素(二酸化炭素など)を含む大気成分の確認が予定されています。ハビタブルゾーンに位置する系外惑星は他にも知られていますが、LHS 1140 bの母星は比較的穏やかな赤色矮星であり、激しい恒星活動が少ないとされています。これは惑星の大気観測を妨げるノイズが少なく、生命の居住可能性の研究に理想的な条件です。一方、有名なTRAPPIST-1系の惑星は、恒星活動が活発すぎるため「誤った居住可能性の判定」が出やすいという課題も報告されています。
宇宙に「もうひとつの海」が存在する日も近い?
系外惑星のイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)LHS 1140 bは最大で質量の10〜20%が液体の水で構成されている可能性も示されています。太陽系外で液体の海が存在する証拠が確認されれば、生命探査の歴史的な一歩となるでしょう。
今後のジェイムズ・ウェッブ望遠鏡の追加観測によって、「LHS 1140 bに本当に海が存在するのか」という謎が明らかになる日も近いかもしれません。皆さんはこの惑星のどのような光景が広がっていると思いますか?ぜひコメントお待ちしています。
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