カナダ首相、米関税への対抗能力には限界と認識-経済規模に大きな差
Brian Platt
- 対抗措置リストに残る950億カナダ・ドルを超える措置は困難と示唆
- カナダの経済規模は米国の10分の1-外遊先のロンドンで語る
カナダのカーニー首相は17日、トランプ米大統領の新たな関税について、米国との経済規模の差を考えるとカナダに可能な対抗措置には限度があるとの認識を示した。
就任後初の外遊先のロンドンで記者団に対し、「カナダの経済規模が米国の10分の1であることを踏まえると、同等の金額の関税で対抗する能力には限界がある」と述べた。
また、カナダの対応はトランプ政権が4月2日に発動する関税次第になると指摘した。トランプ氏は相互関税を課すと繰り返し表明し、自動車や医薬品、半導体などの分野にも追加関税をかけるとしている。
トランプ氏がカナダに対し一律25%の関税を課すと最初に警告した際、トルドー首相(当時)は、1550億カナダ・ドル(約16兆円)相当の米国産品に報復する可能性を示した。その後、トランプ政権の措置を受けて約600億カナダ・ドル相当の米国産品を対象に対抗措置を進めた。
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トルドー氏の後任として14日に首相に就任したカーニー氏は、リストに残る950億カナダ・ドル相当を超えて対抗措置を講じるのは難しいと示唆。これら品目が選択されたのは「米国に最大の影響をもたらす一方、カナダへの影響はゼロではないが限定的なためだ」と説明した。
その上で「最終的に米国に影響を与えないと考えられる措置は講じないし、カナダに明らかに不利になる措置も当然ながら講じない」と述べた。
原題:Canada Is Limited in Matching Further US Tariffs, Carney Says(抜粋)
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