ブルズで契約を争うライバルは…河村勇輝のNBA挑戦2年目がスタート

7時間前

NBA1年目はメンフィス・グリズリーズと2Way契約を結んでいた河村勇輝[写真]=Getty Images

目次

Toggle

 河村勇輝のNBA挑戦2年目が始まろうとしている。シカゴ・ブルズは7月4日(現地時間3日)、「NBA 2K26 SUMMER LEAGUE 2025」のロスターを発表。そこには昨年、メンフィスで話題を攫った日本人ガードの名前があった。

 7月末に来日イベントを控えているジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)との日本での再会こそ叶わなさそうだが、頼れる“兄貴”も「yukiX12 dont die」とコメントし、河村を激励。初参加となるサマーリーグは、ルーキーをはじめとするキャリアの浅い選手たちの参加はもちろんのこと、開幕ロスター入りを目指して契約に飢えた実力者たちも多く参戦する。

 河村には、アメリカでのキャリアを継続するために、限られた時間の中で自身の真価を発揮することが求められている。それでも、ゲームコントロールのスキルと、福岡第一高校仕込みの献身的なディフェンスはバスケットボールの本場でも通用することが証明されており、勤勉な河村であればメンタル面の準備に心配は無用。しかし、共に戦う仲間たちは、チームメートでありながらも、数少ない“契約”という狭き門を争うライバルでもある。

 以下では、河村と共にブルズでサマーリーグを戦うチームメート兼ライバルたちをリストアップ。彼らのプロフィールを予習することで、一層夏の激闘が興味深いものになるだろう。

文=Meiji

■ジャミール・ヤング

[写真]=Getty Images

ポジション:ガード 年齢:24歳

身長:185センチ

 河村のサマーリーグにおける最大のライバルは、メリーランド大学で約2600点を記録したこのスコアリングガードかもしれない。NCAAのラストイヤーは、ビッグ10カンファレンスで平均20.4得点をマークし、カンファレンス・ファーストチーム入りを達成。現在はブルズと2way契約を結んでおり、Gリーグでは21.5得点、7.1アシストを記録している。河村の昨シーズンのGリーグスタッツは、12.4得点、7.8アシスト。3ポイント成功率は前者が30.4パーセント、後者が40.1パーセントとなり河村優勢だが、ブルズのコーチ陣はサイズの観点からも、2人を比較対象として見るに違いない。

 スタッツが証明するように、ヤングは左右どちらでもフィニッシュできるスコアリングガードだ。一対一に自信があり、クラッチタイムにアイソレーションを仕掛けることも少なくなく、ピック&ロールを駆使して自分で決め切るタイプ。セカンドユニットのゲームマネジメントを任せるには十分なスキルセットがあり、アウトサイドが向上すればマルコム・ブログトン(ワシントン・ウィザーズ)のように重宝される未来が予想できる。ヤングは契約的にも河村が目指すポジションに近く、両者がどのようにボールをシェアして、チーム内で“やり合う”かが最大の注目ポイントとなるだろう。

[写真]=Getty Images

ポジション:ガード 年齢:25歳

身長:191センチ

 地元シカゴ出身ということもあり、ファンたちもリバティーには期待を寄せているはずだ。大学時代はミズーリバレーカンファレンスでファーストチーム入りと、2度のオールディフェンシブ入りを果たしており、そのキャリアもドラフト外からウィンディシティ・ブルズに加入することで始まった。

 プロ2シーズン目はトロント・ラプターズと2way契約を締結。22試合に出場して平均7.0得点、3.2リバウンド、1.8アシスト、フリースロー成功率91.7パーセントを記録し、セカンドユニットの重要なパートを担った。昨シーズンはウィンディシティに復帰し、平均19.2得点、6.7リバウンド、3.7アシストをマーク。チーム内でも一際存在を放ち、球団内での評価は高い。

 アシスト数の少なさからわかるように、リバティーの魅力はスコアリングにある。リムアタックとその正確性に定評があり、ストップ&ポップから繰り出される3ポイントも年々練度を増し、ガードながらもジョシュ・ハート(ニューヨーク・ニックス)顔負けのリバウンド数を誇る。ブルズが求めるエナジーと得点力を満たすロスター定着の最有力候補で、NBAローテ入りを狙える即戦力級のポテンシャルの持ち主。サイズも河村を含むガード陣では最も大きく、強力なライバルとなるだろう。

[写真]=Getty Images

ポジション:ガード 年齢:22歳

身長:193センチ

 カナダ産のシューティングガードは、「NBAドラフト2021」でサンアントニオ・スパーズから12位指名を受けるほど、世代で期待されていた選手の1人だった。しかし、2022-23シーズン開幕直後に球団の女性職員へのセクシャルハラスメントが発覚し解雇。その後はロサンゼルス・クリッパーズや、ブルズ傘下のウィンディシティ・ブルズに加入したが、定位置を確保するには至っていない。

 プリモは、ルーキーイヤーに50試合に出場し、平均5.8得点、2.3リバウンド、1.6アシストを記録。キャリアでの成功率こそ振るわないが、左右45度からのプルアップスリーと、ロングストライドを活かしたドライブ、ピック&ロールからのパスを得意としており、コンボガードとして試行錯誤を続けている。

 フィジカルとメンタル面での不安を払拭できるか否かが鍵を握っているが、セカンドクリエイターとしての素質と若さは未だに魅力的なポイント。キックアウトの判断など、ゲームコントロールは河村に軍配と見るが、効率や役割の最適化によってはライバルとなる可能性も十分にある。

関連記事: