ソフトバンクが光電変換不要の「All optical network」を全国展開、電力消費を9割削減

 ソフトバンクは、光電変換が不要な光伝送技術「All optical network」を、全国のメトロネットワークに展開すると発表した。大幅な省電力化が実現し、大容量にもかかわらず従来比で約90%の消費電力削減効果がある。 【この記事に関する別の画像を見る】  この取り組みは、シスコシステムズと連携して実施される。IPルーターにシスコ製400Gコヒーレント型光トランシーバー「OpenZR+」を搭載し、途中区間で光と電気信号を変換する「光電変換」を一切行わない接続をすることで、光電変換に伴う消費電力が削減できる。  光電変換では、光信号を一旦電気信号に変換し、処理後に再び光信号に戻して伝送しており、この変換の過程で大きな電力が必要となる。さらに、コヒーレント型を採用することで、これまでの「光の強弱」による信号から「光の位相や偏波」を使った信号になり、信号劣化が少なく、より長距離へ大容量の信号を送ることができる。  このほか、SRv6(Segment Routing IPv6)技術などを組み合わせることにより、コア(データセンターなど)からエッジ(基地局など)までのエンド・ツー・エンド制御など大規模で柔軟な経路制御ができるため、省電力と拡張性を両立したネットワークを構築できる。  今回導入されるメトロネットワークは、コアネットワークとアクセスネットワークを接続するネットワークを指している。長距離伝送を前提としないため、途中の光増幅モジュールは、ルーターに直接搭載できる光増幅モジュール「QSFP-DD OLS」(シスコが開発)を採用。さらに、ソフトバンク独自の外部電源不要の光多重装置を備えることで、小型で省電力ながら拡張性を備えたメトロネットワークが実現できるとしている。  さらに、IPルーターには、シスコ製の最新チップ「Silicon One Q200」を採用。従来比で約7倍のスイッチ容量を実現しながら、消費電力を約1/2に削減する。  ソフトバンクは、今後2027年までに全国のメトロネットワークで、All optical networkの展開を完了するとしている。

ケータイ Watch,竹野 弘祐

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