JPモルガン、投資銀行手数料の減少予想 後継計画「変更なし」
商業・投資銀行部門の共同トップであるトロイ・ロアボー氏は、景気の先行き不透明感からディールメーキングが停滞するため、第2・四半期の投資銀行手数料は前年同期比で10%台半ばの減少になる可能性があると述べた。一方、トレーディング収益は1桁台半ばから後半の伸びを見込んだ。
ジェレミー・バーナム最高財務責任者(CFO)は「関税措置の変動が、既存の地政学的緊張に加わる形で、経済の先行きが見通しにくくなっている」との懸念を表明。「インフレと大規模な財政赤字が組み合わさり、政策対応の余地が狭まることでリスクがさらに高まる可能性がある」と指摘した。
69歳のダイモン氏は、19年以上にわたってJPモルガンのトップの座にいる。昨年の会合では「もう5年もない」と発言していたが、今回のプレゼンでも最終的な引退時期について明言を避けた。
ダイモン氏は「インフレが進み、スタグフレーションに陥る可能性は、人々が考えているよりも少し高いと思う」と地政学リスクを強調し、慢心をいさめた。
バーナムCFOは、貸し出しの利息収入と預金者に支払う利息の差である純金利収入(NII)が2025年に10億ドル増える可能性があるとの見通しを明らかにした。25年12月期のNII見通し945億ドルを変更するのは時期尚早だとも述べた。
26年にクレジットカード債務のうち返済されない割合については、3.6─3.9%と推定。25年の推定の3.6%からやや高まると想定している。
消費者・コミュニティーバンキング部門トップのマリアン・レーク氏は「消費者と中小企業は引き続き財務的に健全な状態を維持している」としながらも「消費者信頼感と中小企業の景況感は確実に悪化している」との見方を示した。
バーナム氏は、買収に関しては検討する用意はあるものの、事業統合の課題などを踏まえ、慎重に対応するとの見解を示した。
また、効率性を高めるための人工知能(AI)の役割も強調。JPモルガンは25年に180億ドルのテクノロジー予算を計上している。レーク氏は「(消費者金融の)オペレーションチームは、新しいAIツールや機能の利用・活用に関して、最先端を走っている」とし「現在分かっていることを踏まえれば、向こう5年間ほどで、従業員数は10%ほど減少する傾向にあると予想している」と述べた。
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