【債券週間展望】長期金利は低下へ、参院選後も石破首相続投シナリオ
日高正裕
7月第4週(22-25日)の債券市場では長期金利が低下する可能性がある。20日投開票の参院選後も財政規律を重視する石破茂首相が続投し、これまで売られていた債券が買い戻されるとの見方が出ている。
市場参加者の見方
◎りそなアセットマネジメントの藤原貴志チーフファンドマネジャー
- 参院選後に大規模な財政拡張が行われ、円安になるとの見方は行き過ぎで、与党が過半数割れしても石破首相が続投するシナリオが意識されている
- 与党の負けが限定的で石破首相の続投が確実になる場合、債券市場の潮目が変わって10年債利回りは1.5%を割り込むことも考えられる
- 逆に与党が大負けして石破首相の即時退陣となれば、消費減税実現の確度が高まり、長期金利は1.6%を超えてくるだろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.5-1.6%
◎アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎シニア債券ストラテジスト
- 与党が過半数割れしても石破首相は退陣せず、一部の野党と連立政権を組めば極端な財政拡張は避けられ、金利上昇は一服するとの見方が債券市場で共有されつつある
- 参院選後、40年債入札をこなしたあたりから投資家はポジションを復元するとみており、30年債利回りは3%を割り込む可能性がある
- 長期金利は日本銀行の利上げ観測が根強いこともあり、横ばいにとどまるだろう
- 与党が想定以上に大負けしたり、野党との連立交渉が難航したりすれば、石破首相の責任論が高まり金利が上昇するリスクも
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.5-1.6%
国債入札
対象年限 発行予定額 23日 40年利付国債 4000億円 25日 流動性供給入札(残存期間1年超5年以下) 5000億円日銀買い入れ
予定なし
主な材料
- 23日:日銀の内田副総裁が高知県金融経済懇談会で講演し、その後記者会見
- 24日:欧州中央銀行(ECB)が政策金利を発表し、ラガルド総裁が記者会見
- 25日:7月の東京都区部の消費者物価指数
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