“食べてはいけない豆”で指摘される発がんリスク 永遠の化学物質「PFAS」が検出された街 37年前から続く環境問題【大石邦彦が聞く】

■流出を防ぐ遮水壁の工事が行われたが… そして今、工場の敷地内では何か工事が進められていました。 (摂津市在住 和田壮平さん) 「(敷地の)中の汚染された地下水が敷地外へ出ないようにする工事をしていると聞いています」 ダイキンの住民側への説明資料には、敷地の土壌や地下水は今も汚染されていて、2023年から工場を囲むように地面に鉄の板を打ち込み、PFOAの流出を防ぐ遮水壁の工事が始まっていると示されています。 (摂津市在住 和田壮平さん) 「その工事が私たちの畑の周辺は終わった。それにも関わらずPFOAの濃度は上がっている。そもそも遮水壁工事は効果がないんじゃないかと」 工事は進んでいますがPFOAの数値は逆に増えた場所も。さらに先月には… (京都大学 小泉昭夫 名誉教授) 「PFASで起こる肺障害が明らかになったと」 京都大学などの研究チームがPFOAを扱っていた元従業員に健康被害が起きている調査結果を発表したのです。 (京都大学 小泉昭夫 名誉教授) 「肺が線維化していく非常に珍しい病気。テフロン加工する工程にいた5人中3人に見つかった」 ■住民に新たな健康被害の可能性も PFOAの粉じんを吸い込む環境で働いていた元従業員2人が、肺の組織が硬くなる間質性肺炎を発症し、1人にその兆候があったと指摘しました。この3人を含む元従業員5人の血液からは、発がんリスクがあるとされる値の最大で40倍ものPFOAが検出されました。 (京都大学 小泉昭夫 名誉教授) 「PFOAが少なくとも肺線維症を増強していることは言える。もっと可能性が高いのがPFOAそのものが主たる要因である可能性もある。(この研究結果から)高濃度で労働者で起こっていることが住民に起こる可能性は非常に高い。そういう意味で示唆的だと思う」 事実、住民が自主的に行った血液検査でも高い値のPFOAが。発がん性リスクの指標は1ミリリットル中20ナノグラムですが… (住民) 「結果は高いです。(濃度は)80から70」 「国の基準は軽く超えていました。基準の1.3倍か1.4倍くらい」 今回、当事者のダイキンは私たちの取材に対し文書で回答。公害の認識については… (ダイキンの回答) 「環境省は『国内において、PFOS、PFOAの摂取が主たる要因とみられる個人の健康被害が発生したという事例は確認されておりません』と公表しています。地域住民の方々のご心配を真摯(しんし)に受け止めて様々な対策を講じております」

CBCテレビ
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