ロシア軍備管理は過去のものに、西側との信頼関係喪失=参謀総長

ロシアのゲラシモフ参謀総長(右)は18日、ロシアは冷戦中に構築された膨大な核兵器に対する軍備管理は過去のものになったと考えていると述べた。16日撮影(2024年 ロイター/Sputnik/Alexander Kazakov/Pool via REUTER)

[モスクワ 18日 ロイター] - ロシアのゲラシモフ参謀総長は18日、ロシアは冷戦中に構築された膨大な核兵器に対する軍備管理は過去のものになったと考えていると述べた。西側諸国間との信頼関係の欠如が理由とした。

圧倒的な核保有国であるロシアと米国は、軍備競争の減速と核戦争のリスク低減を目指した軍備管理条約の崩壊について共に遺憾の意を表明している。

ゲラシモフ氏は「西側諸国の二重基準により、最低限の信頼レベルに戻ることは現時点で不可能だ。全体として軍備管理の問題は過去のものとなった」と述べた。

ゲラシモフ氏は、米国のミサイルが欧州とアジアに配備されていることが「戦略的な攻撃的軍拡競争」をあおっており、特にフィリピンにおける米軍の増強がロシアにとって懸念事項となっていると指摘した。

NATO(北大西洋条約機構)によるロシア国境付近での活動活発化が目撃されており、ウクライナが米国から供給された長距離ミサイルでロシア領を攻撃して以来、米国はウクライナ紛争に直接関与しているとも述べた。

また、米国が世界中で紛争をあおり、冷戦時代の重要な軍備管理条約を破棄したと非難。ロシアは対抗措置として中国やインド、イラン、北朝鮮、ベネズエラとの関係を強化すると述べた。

米国は2019年、旧ソ連と1987年に締結した中距離核戦力(INF)廃棄条約を正式に離脱した。ロシアの違反が理由としているが、ロシア側はこれを否定している。

一方ロシアは、23年に米国との新戦略兵器削減条約(新START)の履行を停止した。米国のウクライナ支援が理由とした。

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