トランプ氏を批判した南ア大使、国外退去へ-米政府が通告

Eric Martin

  • ラスール駐米大使、トランプ氏らは「白人至上主義者」と発言

南アフリカのエブラヒム・ラスール駐米大使は、21日までに米国を退去する見通しだ。米国務省のブルース報道官が17日に明らかにした。同大使はトランプ大統領と支持者らについて、「白人の被害者意識」に訴える「白人至上主義者」だと発言していた。

  ルビオ国務長官は14日、同大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」と見なすとX(旧ツイッター)に投稿。国務省のスタッフが南アの外交当局者と会い、ラスール大使に関する決定を伝えた。

  ブルース報道官は、大使の「発言は米国にとって容認できない。大統領だけでなく、全ての米国人にとってだ」とし、「主張している内容はかなり不適切なものだ」と述べた。

South Africa's Ambassador to the United States is no longer welcome in our great country.

Ebrahim Rasool is a race-baiting politician who hates America and hates @POTUS.

We have nothing to discuss with him and so he is considered PERSONA NON GRATA.https://t.co/mnUnwGOQdx

  ブルース氏によれば、ホワイトハウスは今回のラスール大使の発言以外の南ア政府の姿勢も問題視している。トランプ氏やルビオ氏が白人農家に対して不公平だと主張する土地収用法の施行や、ロシアやイランとの「関係拡大」、イスラエルの行為がジェノサイド(民族大量虐殺)に当たるとして国際司法裁判所(ICJ)に提訴したことなどだ。

  米国と南アは人種問題を巡り激しく対立している。その一因として、南ア生まれでトランプ大統領のアドバイザーであるイーロン・マスク氏が、南ア白人農家に対する「ジェノサイド」という陰謀論を広めたことがある。

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