ビットコイン、米CPI発表直前に強気なRSIの乖離が出現

  • ビットコインの日足チャートに強気の反転パターンが確認され、市場の勢いに変化が起こる可能性を示唆している。
  • 今夜発表される消費者物価指数(CPI)は金利見通しに影響を与える可能性があり、市場では現在、今年中にFRBが4回の利下げを行うと予測されており、1月に予測されていた1回から大幅に増加している。

市場参加者が3月12日のアメリカのインフレデータに注目し、リスク資産の下支えを期待する中、ビットコイン(BTC)の日足チャートに強気転換を示唆するテクニカルパターンが出現した。

ビットコインは最近、ウォール街でのリスク回避、トランプ大統領の関税に対する懸念、アメリカの景気後退への不安など、いくつかの要因により、先月の10万ドルから今週は8万ドルを下回るまで下落した。トランプ大統領の戦略的備蓄計画の下でビットコインの新たな購入が行われなかったことへの失望感も、下落の勢いに拍車をかけた。

しかし、11日に価格が数カ月ぶりの安値となる8万ドルを下回った際、広く注目されているモメンタムオシレーターである相対力指数(RSI)は、この下落を裏付けなかった。この指標は、高値更新を示し、価格チャートにおける安値更新と矛盾し、強気相場のRSIダイバージェンスとして知られる現象を見せていた。

これは、価格が下落している一方で、売りを後押しする勢いが弱まっていることを示しており、強気トレンドへの反転が近いことを示唆している可能性がある。

[ビットコインの日足チャートとRSI。:TradingView/CoinDesk]

このパターンは、アメリカの2月の消費者物価指数(CPI)が発表される日という、これ以上ないほど興味深いタイミングで現れた。協定世界時(UTC)午後12時半(日本時間午後9時半)に発表予定のCPIは、上昇を示すと予想されている。BTCのRSIの強気な乖離は、潜在的な弱い数値に対する肯定的な反応の準備が整っていることを意味する。

CNBCによると、2月のCPIは、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比で0.3%上昇したことが示される見通しだ。これは、CPIが年率換算で2.9%、コアCPIが3.2%上昇したことを意味し、いずれも1月より0.1ポイント低い数値だ。

「今夜発表されるCPIは、金利見通しの基調を決定づける可能性がある。市場は今年4回のFRBによる利下げを織り込み始めているが、1月時点では1回のみの利下げを織り込んでいた。インフレデータは、この変化を裏付けるのか、それとも新たな混乱をもたらすだろうか」と、シンガポールを拠点とする暗号資産取引企業のQCPキャピタル(QCP Capital)はテレグラムのブロードキャストで述べた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock

|原文:Bitcoin Forms Bullish RSI Divergence Just in Time for U.S. CPI

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