クレカ会社の“表現規制”に海外ゲーマーが反発 ゲーム配信プラットフォーム・Steamでの大量削除を巡り

騒動の発端となったのは、反「女性/少女の性的対象化」を掲げるオーストラリアの慈善団体・Collective Shout。 同団体は、「レイプ」「近親相姦」「児童性的虐待」などを描写する約500本のゲームを問題視しており、7月にVisaやMastercardに対して、両プラットフォームとの取引停止を求める公開書簡を送付した。 この働きかけを受けてかは不明だが、Steamは多数の成人向けゲームを削除。削除理由について、ゲームメディア・Game*Sparkの取材に対し、Steamは「決済代行業者やそれに関連したカード関連会社や銀行が敷く基準に違反」していたためと回答した。 また、「決済代行業者の規定違反の可能性」を理由に、同タイミングでitch.ioでも約2万本のNSFW(=職場環境で閲覧するには不適切な)ゲームが検索対象から外された。 itch.ioの対応についてCollective Shoutは、「女性に対する性的暴力や拷問を含むコンテンツに異議を唱えた」と説明しているが、プラットフォーム側の規制はより幅広く拡大したと見られる。 

一連の騒動では、成人向けゲーム以外にもLGBTQ+やマイノリティを扱うゲームも削除/検索対象から外されるなど、多大な作品が影響を受けている。 こうした影響を「決済会社による検閲・表現規制」と捉えたゲーマーたちは、SNSを通じて問い合わせによる、VisaやMastercardへの抗議運動を展開。 すでにRedditやBluesky上では、電話でカスタマーサポートに抗議する際のテンプレートが拡散。抗議参加者は「なぜクレジットカード決済できない」といったように“混乱した消費者”を装って問い合わせを行うなど、多様な戦術を展開しているようだ。

こうした決済会社による規制を巡っては、日本国内では2022年からDMM.comが運営する成人向けFANZA(運営はデジタルコマース)などのWebサービスにおいて、クレジットカード・Mastercardを使った決済が終了。 以降も、各種成人向け作品を取り扱う販売サイトなどで、クレジットカード決済を巡る緊張状態が続いている。 今回の騒動を受け、オンライン署名サイト・Change.orgでは、VisaやMaster Cardなどの決済会社に対し、作品を検閲しないようにすることなどを求める署名活動が展開されている。

Yugaming

関連記事: