20歳CB高井幸大が堂々初先発の森保J、ボール保持率77%もサウジ崩せずドロー…C組首位フィニッシュは確定

[3.25 W杯最終予選 日本 0-0 サウジアラビア 埼玉]

 日本代表は25日、北中米W杯アジア最終予選第8節でサウジアラビア代表と対戦し、0-0で引き分けた。A代表初先発のDF高井幸大(川崎F)ら守備陣が安定したパフォーマンスを見せ、今予選わずか2失点の堅守を継続したものの、攻撃ではボール保持率77.6%と一方的に攻め込みながらも決め切れず、第2次森保ジャパン27試合目で初の無得点となった。なお、2試合を残してC組首位通過は確定した。

 日本は前節バーレーン戦の勝利でW杯出場権を獲得し、58003人の大観衆の前で迎えた1年3か月後の本大会に向けたリスタート初陣。バーレーン戦から先発6人を一気に変更し、20歳の高井がA代表初先発を果たした他、DF菅原由勢(サウサンプトン)も最終予選初先発となった。

 システムは引き続き3-4-2-1を採用し、GKは全試合先発が続く鈴木彩艶。3バックは左からDF伊藤洋輝、DF板倉滉、高井が並んだ。ダブルボランチはMF遠藤航とMF田中碧が組み、ウイングバックは左にMF中村敬斗、右にDF菅原由勢。シャドーは左にMF鎌田大地、右にMF久保建英が並び、1トップはFW前田大然が務めた。

 一方のサウジアラビアもこれまでの基本システムだった4-4-2ではなく、3-4-2-1の布陣で日本対策を講じてきたため、スタートポジションはミラーゲームの立ち位置となった。[スタメン&布陣]

 試合は日本が立ち上がりから一方的にボールを握り、3バックを起点に安定したビルドアップを披露。バーレーン戦の反省を活かし、試合を支配しにかかった。すると前半10分、最初のビッグチャンス。高井の縦パスを受けた田中が素早いターンからスルーパスを送ると、これに前田が抜け出したが、右足シュートは右ポストに弾かれ、不発に終わった。  さらに前半11分、伊藤、鎌田でテンポよく左サイドを崩し、中村のクロスでゴール前を攻め込むも、前田には惜しくも合わず。同19分には前田が持ち前のスピードを活かしてDFアリ・ラジャミからボールを奪ったが、加速時にボールタッチが合わず、減速してしまい、相手DFに追いつかれてからのシュートはGKの正面に飛んだ。  前半22分にはサウジアラビアのロングボールでゴール前の局面を作られたが、GK鈴木が冷静な飛び出しでヘディングクリア。直後の同23分には素早いトランジションから10番のFWサレム・アルドサリにボールを収められ、DFナワフ・ブワシュルのクロスをDFムハンナド・アルシャンキティに合わせられたが、ヘディングシュートは枠を外れた。  その後も主導権を握り続ける日本は前半27分、久保が鋭いミドルシュートでゴールを狙うも、わずかに上に外れる。同36分には田中のパスカットから久保が左に展開し、中村のカットインシュートは枠外。同44分には久保のボールロストからカウンターを繰り出されたが、高いが余裕を持ったカバーリングでピンチを脱した。  前半アディショナルタイムには久保が右サイドでドリブル突破を仕掛け、見事なフェイントからペナルティエリア右を攻め込んだが、右足キックのフィーリングが合わずにゴール右へ。そのままタイムアップを迎え、前半は0-0で終わった。  後半も日本の交代はなし。その後はさらにサウジアラビアが低い位置でブロックを組んでくる中、高い位置まで押し込みながらも攻めあぐねる時間が続いた。後半11分には田中の浮き球パスに前田が抜け出すも、バウンドが高く上がってGKの手中に。同13分には久保の左CKに遠藤が飛び込んだが、ヘディングシュートは右に外れた。

 後半14分にはGK鈴木を起点に相手を引き込み、菅原のロングフィードが裏に通ると、前田が抜け出すも相手のカバーリングに阻まれる。すると同16分、森保一監督がこのタイミングで動き、久保と菅原に代わってMF堂安律とMF伊東純也が投入された。ここまでウイングバック起用が続いていた堂安は右シャドーに入り、伊東がウイングバックに入った。

 するとここでサウジアラビアも選手交代を行い、攻撃のスイッチを入れると、後半20分にはS・アルドサリの単独突破に高井と遠藤が振り切られ、ドリブルが長くなったところをなんとか鈴木が阻止。ヒヤリとする場面を作られた。同28分には伊東の右CKを板倉が折り返し、高井がヘディングシュートを狙うも、大きく枠を外れた。

 日本は後半28分、2回目の選手交代で前田と遠藤に代わってFW古橋亨梧とMF旗手怜央を投入。旗手はシャドーの位置に入り、鎌田はボランチに降りた。キャプテンマークは板倉に託された。同32分には伊藤のロングフィードに古橋が絶妙なタイミングで抜け出したが、相手のカバーに阻まれ、シュートには至らなかった。

 なおも攻める日本は後半37分、鎌田のスルーパスから伊東が右ポケットに侵入し、左足シュートを狙うも枠外。直後には鎌田に代わってMF南野拓実がシャドーに入り、旗手がボランチの一角に入った。同44分には伊東のバックパスが相手に渡りそうになったが、鈴木が集中力の高いリアクションで阻止。そのままタイムアップを迎えた。

 W杯に向けたリスタートの初陣はドローに終わり、最終予選の戦績を6勝2分となった。なお、この結果によって日本のC組首位通過は確定した。日本は6月5日に敵地でオーストラリア戦、同10日にホームのパナソニックスタジアム吹田でインドネシア戦を行い、最終予選を終える。
「アディダス BUKATSU+ 」キャンペーン実施中 アディダスアスリートが、キミの部活にやってくる。 アディダス商品購入で、夢の部活体験が当たるキャンペーンに今すぐ応募しよう。
(取材・文 竹内達也) ●北中米W杯アジア最終予選特集

関連記事: