英で少女2人をレイプした少年2人に控訴審で拘禁刑 第一審の量刑が軽すぎると首相も批判

画像提供, Reuters

画像説明, ロンドンの王立裁判所
Published

(注意:この記事は性暴力事件に関するもので、ショッキングな内容が含まれます)

イギリスで2024年と2025年に起きた少女へのレイプ事件で、有罪となった少年3人に対し今年5月に言い渡された量刑が軽すぎると問題になった件で、ロンドンの控訴裁は2日、少年2人に対し4年間の拘禁刑と、被害者に対する終生の接近禁止命令を言い渡した。第一審で、他の2人と同様に拘禁刑ではなく、青少年更生命令(YRO)を言い渡されていた3人目の少年については、そのままの量刑が維持された。

問題の事件は、英南部ハンプシャー州フォーディングブリッジで2024年11月と2025年1月に別々に起きたもので、当時15歳と14歳の少女2人が、当時14歳の少年2人にレイプされた。

裁判では少年2人に強姦罪などで有罪評決が下ったほか、当時13歳だった別の少年も、2件目のレイプへの関与で有罪となった。その後、量刑についてサウザンプトン刑事法院は5月に、「この子どもたちを、不必要に犯罪者扱いすることは避けたい」として、拘禁刑ではなく青少年更生命令(YRO)を言い渡した。YROは宣告時に18歳未満の青少年に科される社会内処遇で、無償労働や外出禁止、各種治療を受ける義務などが含まれる。

これを受けて、被害者や被害者の家族をはじめ大勢から刑が軽すぎると抗議の声が上がり、元検察局長のキア・スターマー首相も量刑は「言語道断だ」との見解を示した。

リチャード・ハーマー法務長官は二つの事件を控訴。これを受けてロンドンの控訴裁判所は2日、事件当時14歳だった少年2人に4年間の拘禁刑と、終生の接近禁止命令を言い渡した。

控訴審の判事は、この事件の「重要な特徴」は、最初の事件から数カ月後に起きた2度目の事件でも、少年たちが犯行を繰り返したことにあると判断を示した。

控訴裁のスー・カー裁判長は、第一審の判事が「犯行の重大性の判断を誤った」として、「量刑を変更するよりほかはない」と述べた。

裁判長は、事件当時14歳だった少年2人について「拘禁刑は避けがたい」として、両被告に対し「あなたたちは2度、別々の機会に少女2人をレイプした。あなたたちはそれを楽しみ、お互いをあおっていた。それを撮影することで、さらに事態をひどいものにした」と指摘。もし2人が成人だったなら、禁錮10年以上を言い渡しただろうとも告げた。

2人はすでに第一審の決定により231日間、外出を制限されていたため、これは4年間の量刑に算入されるとも、判事は話した。

事件当時13歳だった少年に対しては、判事は「あなたがしたこともとても悪いことだった」と告げつつ、この少年が年少だったことを理由に、第一審の量刑を維持することにしたと話した。この少年は、2件目の事件について教唆とほう助で有罪となっていた。

被害に遭った少女たちの家族は、自分たちの声が聞き届けられたことに「感謝している」と述べるとともに、裁判所が犯罪の「重大性」を認識し「正義を実現」したことに安堵(あんど)していると付け加えた。

2024年の事件の被害者は5月の第一審量刑言い渡しの後、まるで「自分の顔に岩がまっすぐ飛んできた」かのようなものだとBBC番組で話していた。

画像提供, 英検察庁

画像説明, 2024年11月にレイプ事件の起きた、ハンプシャー州フォーディングブリッジの現場

この少女は、エイヴォン川にかかる橋の下でレイプされた当時、15歳だった。

少女はソーシャルメディア「スナップチャット」上で「交際」を始めた加害少年の1人と初めて会うため、2024年11月にこの場所に出向いたところ、ほかに少年2人が現れたのだという。

もう1人の少女は2025年1月、スポーツ用のフィールドで被害にあった。

少年らは携帯電話で両方の犯行の様子を撮影した後、その映像の一部をインターネットで共有した。

画像提供, 英検察庁

画像説明, 2025年1月にレイプ事件のあったフィールド

控訴審の判決後、2024年の事件の被害者家族による声明を、シャーロット・プラウドマン法廷弁護士が読み上げた。その中で家族は、自分たちは「どの家族も決して経験するべきではない悪夢を経験してきた」と述べた上で、「今日の判決は、娘が受けた苦しみを消すことはできないが、犯行の重大性を認めるものだった」とした。

被害を受けた少女はコメントで、「何も悪いことをしていないにもかかわらず、刑を言い渡されたのは自分で、刑務所で暮らしているのは自分のような感じがする」、「(事件で)私はあまりに深い傷を負ったため、二度と以前と同じにはなれないと思う」と述べた。

この少女の家族は、性暴力の被害者とその家族を支援する慈善団体「ストロンガー・ザン・サイレンス(沈黙より強い)財団」を設立している。

この少女の母親はBBCに対し、4年間の拘禁刑は第一審の量刑よりも「まし」だが、「足りない」と述べ、「4年間で満足する母親などいない。娘は一生トラウマを抱えて生きる。彼女は終身刑を言い渡されたようなものだ。なのでもちろん(4年では)足りないけれども、前よりは重くなったので、感謝しないとならない」と話した。

もう一人の少女の家族は別の声明で、第一審の量刑は「とんでもないものだった」と述べ、「娘が受けた被害が十分に認識されていないと感じさせられた」とした。

「娘が経験した心の傷は、どのような判決が出ても消えない。しかし、今日の判断によって、正義が実現し、責任ある者たちが適切に責任を問われたという感覚を、より強く持てるようになった。私たちは、この長く困難な過程を通じて示してきた娘の勇気と強さを大変誇りに思っている」とも、家族は述べた。

関連記事: