プーチン大統領は顔面蒼白…モスクワ製油所を“カミカゼドローン”急襲で降り注ぐ“黒い油の雨” ウクライナ東部要衝を制圧もケタ外れの“人的代償”

 ロシアが「特別軍事作戦」と称してウクライナに侵攻したのは2022年2月24日。今年2月に丸4年を迎えたが、依然としてウクライナの東部戦線では激戦が続いている。担当記者が言う。 「プーチン大統領は6月23日、東部ドネツク州の要衝・コンスタンチノフカを『事実上制圧している』と発表しました。ロシア軍がコンスタンチノフカの占領を目指して攻撃を開始したのは昨年10月末。火力に勝るロシア軍は激しい砲撃を浴びせ、あとは兵士に突撃を命じるという単調な作戦を繰り返しました。一方のウクライナ軍はドローンと無人地上車両(UGV)による“ロボット部隊”をフル活用し、人的被害を最小限に抑えながらロシア軍に甚大なダメージを与えてきました。ロシア軍の進軍スピードは非常に遅く、イギリスの国防省はコンスタンチノフカ攻略戦を『ロシア軍が大損害を出しながら前進する典型例』と分析しています」  ロシア軍の人的被害は桁外れのようだ。イギリスの諜報・サイバーセキュリティ機関である「政府通信本部(GCHQ)」は5月、ロシア軍の戦死者が約50万人に達したと発表した。コンスタンチノフカ攻略戦でも数千人の戦死傷者が出たとの分析がある。

 そもそも本当にロシア軍がコンスタンチノフカを占領したかどうかも現時点では分かっていない。だが仮に勝利を収めたとしても、これだけの損害が出たとなると、割に合うのかは大いに疑問だ。  ウクライナ軍の善戦は注目を集めており、6月24日にはトランプ大統領もゼレンスキー大統領を高く評価して話題を集めた。  トランプ大統領はホワイトハウスで「彼はかなりよくやっている。少なくとも持ちこたえている」、「多くの人々が亡くなっているが、彼は大健闘していると思う」と記者団に述べたのだ。  果たしてトランプ大統領に褒められてゼレンスキー大統領が心の底から喜ぶのかどうかは分からないが、「お前にはカードがない」と罵倒されるよりはマシだろう。 「プーチン大統領はウクライナを占領するために戦争を開始したのです。それが4年経っても激戦が続き、夥しい死傷者を出しています。今の時点でも“泥沼の負け戦”と評価されても仕方ないでしょう。さらにウクライナ軍はドローンを使ってロシア国内を空爆し、大きな戦果をあげています。BBCが報じたのはロシアの首都モスクワ南東部のカポトニャ地区にある製油所に対して行った空爆で、精製施設が炎に包まれ、貯蔵タンクが吹っ飛ぶ動画や画像がSNSで世界中に拡散しました」(同・記者)


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 ウクライナ軍が活用しているのは、いわゆる“カミカゼドローン”だ。ロシア国内の軍事施設を相次いで破壊しているほか、2014年にロシアが実効支配したクリミア半島でも空爆を行っている。  クリミア半島ではロシアと繋ぐ幹線道路や鉄道橋を破壊しており、深刻なガソリン不足を引き起こしているようだ。ロシア系の住民は避難を開始したとの報道もあり、クリミア奪還が悲願であるゼレンスキー大統領にとっては朗報だろう。  皮肉なことにロシアは世界有数の産油国なのだが、ウクライナのドローン攻撃で石油の精製に支障が生じている。そのため石油の輸入も検討しているという。  丸4年の戦争で膨れあがった膨大な戦費も財政を悪化させており、インフレがロシア経済を直撃している。  独裁国家のため自由な言論を封鎖することは簡単だとはいえ、国内で厭戦気分が蔓延するリスクは高まっている。しかし下手に停戦交渉に応じると支持基盤である保守派が離反する懸念もある。権力の座に固執するプーチン大統領は一種の“板挟み”の状態に陥っているわけだ。  いずれにしても、勝てない戦争が続くだけでも、プーチン大統領の“権威”は日々下落していく。対応に苦慮するのは当然だろう。

 軍事ジャーナリストは「プーチン大統領を苦しめているのはFP-1とFP-2という自爆型ドローンです」と言う。 「ウクライナのスタートアップ企業が開発し、その性能の高さに全世界の軍事関係者が注目しています。例えば緒戦で活躍したトルコ製の無人攻撃機・バイラクタルTB2は全長が6・5メートル、翼の長さは12メートルもあります。一方のFP-1やFP-2は非常に小型で全長は数メートルといったところです。ところがFP-1もFP-2も最大で100キロを超える爆弾を搭載し、FP-1の航続距離は最大で1600キロです。東京を出発すれば沖縄まで飛ぶことができます。しかもドローンですからパイロットによる遠隔操作が可能です。また旧ソ連製の古いロケット弾が搭載されていることも非常に重要なポイントでしょう」  どうやって使うのか、具体的に見てみよう。ウクライナ軍が攻撃目標を決めると、AIが衛星写真を元に飛行ルートを立案する。それをFP-1やFP-2に入力する。  FP-1もFP-2もロケットブースターを使って斜め方向に射出される。そしてプロペラを使って低空を低速度で飛ぶ。これをロシア軍の対空レーダーが捕捉するのは非常に難しい。

デイリー新潮
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