【新名神事故裁判】“ながらスマホ”運転で静岡・袋井市の一家ら6人死亡…被告に検察が過失運転致死罪上限の拘禁刑7年求刑し結審も遺族は「短い」(Daiichi

9月10日、午前。 (記者) 「今、水谷被告が出てきました。津地裁に入ります」 マスク姿で三重県の津地方裁判所に姿を見せたのは、広島・安芸高田市の水谷水都代被告(55)。過失運転致死の罪に問われています。 2026年3月、三重・亀山市の新名神高速下りで起きた事故。 (記者) 「車は完全に焼け焦げていて原型をとどめていません」 当時、渋滞で止まっていた乗用車に、後ろから大型トラックが突っ込んだのです。さらに、その後、車3台が炎上しました。 この事故で、静岡・袋井市に住む松本幸司さん、妻の恵梨子さん、長女の莉桜さん、長男の壮眞さん、二女の彩那さんの一家5人…、別の車を運転していた埼玉・草加市の高峰啓三さんも巻き込まれ、計6人が亡くなりました。 その突っ込んだ大型トラックを運転していたのが水谷被告。 起訴状によりますと、“ながらスマホ”で脇見運転しながら制限速度よりも、30キロほどオーバーする時速約80キロで走行し事故を起こした過失運転致死の罪に問われていて、水谷被告は起訴内容を認めています。 8月31日に開かれた被告人質問では、本人の口から事故原因が語られました。 (検察官) Q.『ご家族から、“ながらスマホ”についてたびたび注意されていたのに、そういう意識はできなかった?』 (水谷 水都代 被告) 『はい』 (検察官) Q.『どうして?』 (水谷被告) 『最初は意識していたが気が緩んだ』 (検察官) Q.『今回の事故の原因はなんですか?』 (水谷被告) 『スマホを軽はずみに触って、せんでもええようなことをして、考えの甘さがこうやって事故を起こした』 (検察官) Q.『電話を終えてTikTokを見ることにしたのは?』 (水谷被告) 『見ることにしたのではなく、地図を消したり画面消した時にでてきた』 (検察官) Q.『なぜスクショを?後からでも良かったのでは?』 (水谷被告) 『軽い気持ちでつけてしまった』 スマートフォンをダッシュボードに固定し、日常的にSNSを見ていたとされる水谷被告。事故当日は料理動画を見て、スクリーンショットを撮ろうと13秒間、脇見をしていたとみられています。 (検察官) Q.『被害者に対してはどう思っていますか?』 (水谷被告) 『小さいお子さんもいて…将来を…かわいそうなことをしてしまって皆さんに本当に申し訳なく思っています』 (検察官) Q.『遺族にはどう思っていますか?』 (水谷被告) 『本当に悪いことをしてしまって、本当にごめんなさいしか…』 一方、亡くなった全員の名前を聞かれると、答えられず、「名前を覚えず、どうやって謝罪するのか」と問われる場面もありました。 裁判の後、遺族は…。 (松本 幸司さんの姉) 「遺族の心情を逆なでするように、亡くなった人の名前もまともに言えず…正直なところ、ただただ腹立たしく思って聞いていました」 (松本 恵梨子さんの兄) 「亡くなった被害者の名前一つしゃべれない人がどう謝罪するのか、誰に向かって謝罪するのか、いい加減にしてほしい」 (高峰 啓三さんの姉 ) 「被告人の態度があれだったのかと思うと悔しくて仕方がない。私たちの率直な思いは、事故じゃなく殺人なんだと思っている」 “ながらスマホ”が原因の1つと考えられる事故。専門家はこう指摘します。 (増田 英行 弁護士) 「魔が差してしまうのは、そこまでに至る周りから注意があったり、本当は自分がそこで改めて注意しなきゃいけないのに耳を貸さなかったというのがその態度に問題があったと思う…高速道路で80キロ出していて、トラックに突っ込まれれば、相手は命を失ってしまう。そういう危険性というものを本当に被告人が意識していたのか、認識していたのかっていうところに強い非難が与えられると思う」 検察側から求められる刑は? (増田 英行 弁護士) 「被害者の数が非常に多く、残念な結果が生じてしまっていること、それから、被告人が一般ドライバーではなく職業ドライバーであって、しかもトラックという車の中でも重量が大きくて、本当に事故を起こせば相手に大きな損害を与えてしまう…今回の事件については重い求刑、他の事件に比べても、かなり重い求刑を検察側はしてくるだろうというふうに想像している」 そして、10日、開かれた裁判。 検察側は、水谷被告の行為について「危険運転にも比肩しうる運転で、交通の危険をあまりに軽視したものだ」などと指摘し過失運転致死罪の上限の拘禁刑7年を求刑しました。弁護側は、「運転に酌量の余地はありません」と述べ、相応の判決を求めました。 最後に水谷被告は…。 (水谷 水都代 被告) 『この度は、私の行動によって6人が亡くなって関係者の皆さまにご迷惑をおかけしてすいませんでした。トラック運転手として仕事をしている中で、こういうことをしてしまったのは、とても反省していますし、遺族の方に大変なご迷惑をおかけしてすいませんでした』 そして裁判は結審しました。 裁判後遺族は…。 (松本恵梨子さんの兄) 「正直、7年で、法律をよく知らない僕が感じるところでは短いと感じます。6人も殺しておいて、7年で出てこられるんだっていう、そんな気持ちで今はいます。ただ、これも法律で定められていることですので、そこの最大の刑っていう形で結果を出していただけたら、僕はそれに納得しようと思ってます」 (記者) Q.「最後に言葉を求められたときに『すみませんでした』という言葉を発していましたが、それを受けて感じたことは?」 (松本 幸司さんの姉) 「裁判官に向かって謝ってるとしか私には思えなかった。あそこで、もし、本当に『すいません』と言うならば、振り返ってもよかったと思う。それすらできてないっていう、そこが私にはわからない。それで「すいません』は私たちには伝わらないです」 判決は10月20日です。

Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
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