テスラ株急落で個人に人気のレバレッジ型商品打撃-韓国勢痛手

米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価低迷は、同社株のレバレッジ型ファンドに資金を投じてきたリスク志向の高い韓国人投資家に打撃を与えている。

  ブルームバーグ・ニュースがまとめた韓国の証券3社のデータ(2月21日時点)によれば、テスラの株価に連動しその3倍の値動きをする上場投資商品(ETP)を最も多く保有しているのが韓国勢だ。

  ロンドン上場のこのETPはピークから80%余り値下がり。この間、テスラ株は41%下げた。

  テスラ株のレバレッジ型ファンドで被ったこうした損失は、韓国人投資家による株式市場に対するリスクの高いアプローチの一端に過ぎない。

  韓国のミレーアセット証券は先週、国外で上場されている高リスクのレバレッジ型ETPの一部について、注文の受け付けを一時停止すると発表し、損失が発生し得ると警鐘を鳴らした。 

  テスラ株に連動する米上場のレバレッジ型上場投資信託(ETF)は昨年12月17日のピーク時から70%近く値下がり。預託機関のデータによると、韓国人投資家は2月26日時点で同ETFを15億ドル(約2246億円)相当保有し、ファンドの総資産の43%を占めているという。

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  レバレッジ型ETPなどは世界的に人気が高まり、米大統領選後の強気相場の中で大量に組成された。だが、トランプ米大統領の関税政策や中国テクノロジー企業の台頭による不確実性により、米ハイテク大手7社「マグニフィセント・セブン」の株価は下落。これらの銘柄の上昇トレンドに依存してきた投機的商品は苦境に立たされている。

  この影響を最も大きく受けるのは、売買高の大半を占める韓国の個人投資家だろう。

  NH投資証券およびサムスン証券のデータによれば、韓国人投資家はロンドンに上場しているETP「レバレッジ・シェアーズ3xテスラ」を2月21日時点で約3580億ウォン(約367億円)保有。

  ブルームバーグの算出によると、同ETPの資産の9割余りを韓国勢が保有していることになる。

  ETPプロバイダー、レバレッジ・シェアーズでアジア太平洋地域戦略責任者を務めるボラ・キム氏は、「テスラは韓国の投資家にとって最も人気のある銘柄の一つであり、その熱狂は当然ながらテスラ株のレバレッジ型商品にも広がっている」と指摘。

  このような商品は短期の取引向けに設定されているとし、韓国人投資家にとってボラティリティーの高さが魅力の一つだと述べた。

原題:Tesla’s 40% Plunge Burns Koreans Who Plowed Into Leveraged ETFs(抜粋)

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