恐怖!? レクサス高級SUV「LX」盗難事件が11件も発生! 最新の「LM」「NX」も被害に! 対策は"めちゃ単純"「これじゃ盗めないぞ…」諦め作戦が有効! 警戒を呼びかけ 茨城
新車にセキュリティ装置が標準装備されたことや、市中の防犯カメラ設置などが進んだことから、自動車の盗難(以下、自動車盗)はピークから大幅に減少。
しかし、2024年には6080件(警察庁発表)も発生している現状があります。
自動車盗の傾向にも変化があり、盗んだクルマは犯罪に使うというただの「手段」だったのが、クルマを海外で売りさばくという「目的」に変わってきています。
特に、盗んだクルマはアジアやアフリカなどへ輸出するため、海外でニーズが高いモデルにターゲットを絞り、輸出しやすい海に近い地域で活動しています。
具体的な車種では、豪華なクルマが支持される中東地域での人気車であるトヨタ「ランドクルーザー」シリーズや「アルファード」、レクサス「LX」「RX」などは狙われるリスクが非常に高く、車名別の発生状況ではトップレベルです。
また、東南アジア地域で実用の道具として人気のトヨタ「プリウス」「ハイエース」や、三菱ふそうやいすゞ、日野などの大型トラック、警戒されにくい軽トラックの盗難も多発しています。
一度盗まれたクルマは即座にナンバープレートを付け替えられるため追跡が困難で、すぐに活動拠点や輸出拠点の「ヤード」に持っていかれ、コンテナ詰めにされるので、取り戻すことは非常に困難です。
また、盗難そのものの行為や輸出後の販売などには反社会的勢力が関わっているとの見方もあり、盗難を許すとそうした組織への資金源になる可能性もあります。
さて、今回茨城県警が発表したのは、「レクサス車」の盗難事例です。5月28日現在までに、計22台のレクサス車が被害にあっているといいます。
車種の内訳は、大型SUV LXが11台、大型セダン「LS」が3台、中型SUV RXが3台、クーペ「LC」が2台です。また、中型セダン「GS」、中型SUV「NX」、大型ミニバン「LM」もそれぞれ1台ずつ被害にあっています。
さらに、うち15台はすべてつくば市内での被害でした。このほか、県西・県南地域でも集中しているといいます。
先出の通り、レクサス車は中東地域で非常に人気です。特にLXは多くの受注を獲得していますが、生産が追いつかず、日本国内でも流通台数が少なく、高額で“転売”されることもあるモデルです。
また、最新モデルであるLMも盗まれているということは、窃盗団は最新モデルであってもセキュリティ装置を解除できる技を持っているということなので、標準装備のセキュリティでは刃が立たないことも明らかです。
ちなみに茨城県警では盗難防止策として、「タイヤロック」「ステアリングロック」、「独立型の警報装置」「電子制御システム」の追加、「GPS機器等の搭載」、「ドライブレコーダーの設置」などを提案。
また、これら「いずれかひとつ」ではなく、複合的に組み合わせることで効果を発揮するとしています。
県警は「県南、県西地域(特につくば市内)でレクサス車の盗難被害が増えていますのでご注意ください。みんなでやろう!自動車盗対策!愛車を守るためには、見せる対策、見えない対策の複数対策!」と警鐘を鳴らしています。
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セキュリティ装置の標準装備化から盗難の手口も巧妙になっています。
今主流なのは違法機器を用いてエンジン始動と解錠を行う、「リレーアタック」や「CANアタック」というものです。
こうした手口には、やはり「物理的にクルマを出せないようにする」という対策が効果を発揮します。
例えば、「ステアリングロック」や「タイヤロック」などは、金属製の鍵付きの堅牢なロックで、解錠とエンジン始動を許しても、走って持ち去られることは防げます。さらに堅牢ロックは、窃盗団にとって手強く「これじゃ無理だな」と諦めさせることもできます。
クルマを停めておく場所も、機械式立体駐車場などオーナーでなければクルマを出せないところを選んだり、駐車場内に防犯カメラやセンサーライトの設置、大通りの駐車場など、人目につく場所を選ぶのも対策になります。
また、万が一走り去られそうになっても、エンジン始動時にヒミツ操作をしなければ始動ができない社外品の制御装置や、見つからない場所にGPS装置を仕込んで追跡できるようにしておくのも有効です。
飲食店やショッピングモールなど、出先の駐車場で狙われたケースもあるほか、目をつけられてGPSを仕込まれ、保管場所や行動パターンを特定する悪質な輩もいるため、そういった機器がないか、駐車場に怪しい人物やクルマが来ていないかもチェックするとよいでしょう。