パリでAIサミット開催、技術革新と安全なAI活用議論へ
[パリ 10日 ロイター] - フランスのパリで10日から「人工知能(AI)アクションサミット」が開かれる。過度に厳格な規制が技術革新を妨げているとの批判が高まる中、政治指導者やハイテク企業幹部がAIを安全に活用する方法について意見を交わす。
米グーグルのシニア・バイス・プレジデント、ジェームズ・マニーカ氏は9日の記者会見で、AIがもたらす機会が「より大きな焦点」になっていると述べた。
サミットの参加者はAIが必要とする膨大なエネルギーを管理する方法や、途上国におけるAI活用についても議論する。拘束力のない声明が発表される見込み。
米国ではトランプ政権がAIに関する規制撤廃を進めている。このため欧州でも企業が競争力を維持するために、より柔軟な規制を採用すべきとの声が強まっている。
サミット開催国であるフランスのマクロン大統領は7日に国内紙に掲載されたインタビューで、「ルールを設けないリスクがあり、これは危険だ。しかし欧州がルールを作り過ぎれば、逆のリスクもある。技術革新を恐れるべきではない」と語った。
オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は仏紙ルモンドへの寄稿で、「成長、雇用、進歩を望むなら、イノベーター(革新者)には革新を、ビルダー(創造者)には創造を、デベロッパー(開発者)には開発を自由に行わせるべきだ」と訴えた。
一方、「AIのゴッドファーザー」の一人とされる研究者ヨシュア・ベンジオ氏は9日のイベントで、最先端のAIはすでに人を欺いたり、自己防衛的な行動を取ったりする能力を持ち始めていると指摘。これは将来的なリスクの兆しだと警告した。
サミットにはバンス米副大統領や中国の張国清副首相、カナダのトルドー首相らが出席する。仏大統領府によると、マクロン氏は10日に張氏、11日にバンス氏と会談する。
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Jeffrey Dastin is a correspondent for Reuters based in San Francisco, where he reports on the technology industry and artificial intelligence. He joined Reuters in 2014, originally writing about airlines and travel from the New York bureau. Dastin graduated from Yale University with a degree in history. He was part of a team that examined lobbying by Amazon.com around the world, for which he won a SOPA Award in 2022.