防衛大卒業式で石破首相訓示「防衛力の基盤は人」 363人が卒業、恒例の帽子投げも

防衛大学校の卒業式を終え、帽子を投げる卒業生=22日午前、神奈川県横須賀市(岩崎叶汰撮影)

石破茂首相は22日、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式で訓示し、「防衛力の最大の基盤は人だ。諸官一人一人の努力がわが国の抑止力の強化に直結する」と激励した。自衛隊でハラスメントの発覚が相次いでいることを念頭に、幹部自衛官となる卒業生にハラスメントを許容しないよう呼び掛けた。

首相は中国の海洋進出、北朝鮮の弾道ミサイル発射、ロシアのウクライナ侵略に触れ、日本を取り巻く安全保障環境が変化したと指摘。「武力侵攻といった脅威が及ぶことのないよう、抑止力を強化しなければならない」との認識を示した。

中谷元・防衛相も訓示し、自衛官の処遇改善に政府を挙げて取り組む姿勢を強調。自身も防大卒の中谷氏は「強く、頼れる自衛隊の中核として頑張ってほしい」と後輩たちにエールを送った。

防衛大学校の卒業式で訓示する石破茂首相(壇上中央)=22日午前、神奈川県横須賀市(岩崎叶汰撮影)

本科の卒業生は留学生を除き363人(うち女性は56人)。任官辞退者は40人で、昨年より5人増えた。卒業式の最後には、卒業生が制帽を一斉に高々と投げて走って退場する恒例の「帽子投げ」を行った。

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