目撃者も呆然…防犯カメラが捉えた”歩道を走る車”なぜ誤進入?経年劣化で見にくい「道路標示」も要因か(島根発)(FNNプライムオンライン)
島根・松江市の店舗に設置された防犯カメラが4月中旬、驚きの映像を捉えた。”歩道を平然と走る車”だ。いったいなぜなのか…取材してみると、単なる「無謀な運転」だけでは済まされない深刻な問題が潜んでいた。 歩道を走る車…原因を探る
4月18日に松江市東本町の米穀店の防犯カメラが撮影した映像。店の敷地に接する脇道から左折してきた車が走るのは…「歩道」だ。本来ならば歩道の先の県道に入るべきところだ。 車が走ってきた瞬間に、ちょうど玄関から出てきた店主もあっけにとられていた。 米穀店の店主の男性は、「こっち(店の前の歩道)に来ると思わなかったので、びっくりして止まりました。立ち尽くしてしまったような感じ」とにわかには信じられなかった光景を苦笑いしながら振り返った。 運転していたのは高齢の男性で、特に焦る様子もなく歩道を走行し、その先の交差点にある縁石の切れ目から県道に合流し走り去ったという。 なぜこんなことが起きたのか…米穀店の店主は、思い当たることとして「道路標示が薄かったりするので、焦って左の車線と間違えて入った可能性は考えられなくはない」と話した。
可能性として指摘したのが、”道路標示の薄さ”だ。 福村翔平記者: こちら「止まれ」の道路標示と思われるんですけど、消えかかっていてほとんど読み取ることができません。そしてその先の横断歩道もほとんど消えかかっています。 福村記者が、問題の車が走っていた脇道を確認すると、道路標示が薄く見えにくく、このため歩道と車道の区別がつきにくくなっていることが分かった。こうしたことが“無謀運転”を誘発した要因とも考えられる。
Googleマップで2018年当時の同じ地点の画像を見ると、はっきりと「止まれ」の文字を確認できていた。しかし4年後の2022年には、「ま」の文字の一部や停止線がかすれていた。 さらに1年後にはもっと薄くなり、視認性が悪くなっていた。 実際に車を運転しながら通ってみると…。 福村翔平記者: ドライバー目線だと、ほとんど標示を読み取れないです。 脇道が合流する県道は、松江市街地を南北に走る道路で、朝夕を中心に交通量も多い場所だけに、事故につながりかねない消えかかった道路標示は危険だと言える。 管理する警察は、「日常のパトロールなどで把握した視認性が低下した道路標示については、優先順位をつけて順次補修工事を行っている」としている。 ただ実際に補修するには、実地調査や事務手続きなど多くのステップを踏む必要があり、工事完了までは早くても数か月はかかるという。 警察は、「消えかかった道路標示を見かけたら、最寄りの警察署に連絡してほしい」と呼びかけている。しかし犠牲者が出てから改修が進むという状況にならないよう、関係機関はもとより地域ぐるみで、問題が発生しそうな箇所があればすぐに対応してもらうような取り組みが必要だ。 またドライバーも、周辺のあらゆる情報に注意を払いながら安全運転をすることを心がけたい。 (TSKさんいん中央テレビ)
TSKさんいん中央テレビ