後継機が登場すると“前世代機”はどうなる? ゲームファンのとある一例

時代と共にゲーム機は進化し続け、常に刺激的なプレイ環境を提供してきました。同時に、どんなゲーム機もいずれ次世代の後継機に道を譲り、最前線から退くことになります。 【画像】仕舞い込むには早すぎる!まだまだ活躍できる名機たち。 2025年6月5日に、任天堂が新たなゲーム機「ニンテンドースイッチ2」をリリースしました。非常に人気があるため、まだ手に入れていない人が多いものの、普及が進むにつれてプレイ環境はスイッチからスイッチ2に移行することでしょう。 ■前世代機はお払い箱? それとも…… 後継機に道を譲った前世代機の扱いは、人によって異なるかと思います。リサイクルショップに売るのもポピュラーな対応ですが、押し入れなどにしまう人もいれば、後継機と前世代機の両方を併用する人もいます。 いかなる理由で、前世代をどのように扱うのか。考え方は人それぞれなので絶対の正解はありませんが、だからこそ他の人がどのように扱っているのか気になる人もいるはず。そこで、長くゲームを遊び続けてきた筆者のケースを一例として紹介します。 ゲームライターという立場柄、仕事として過去のゲーム機も起動させやすい状態にしてありますが、今回は仕事面を抜きにして、「いちゲームファンとしてどのように扱っているか」に絞ってお伝えします。 ■『ゼノブレイドクロス』専用機から役目を変えた「Wii U」 スイッチの前世代機にあたる「Wii U」は、全体的な販売実績としては振るわなかったものの、いくつもの名作が衝撃的な体験を与えてくれました。 そのうちのひとつが『ゼノブレイドクロス』でした。『ゼノブレイド』シリーズに名を連ねるRPGのひとつで、未知の惑星をまるごと表現した壮大なオープンワールドの世界は、非常に刺激的な体験でした。 シリーズ1作目の『ゼノブレイド』が、2020年にスイッチ向けにリマスターされましたが、『ゼノブレイドクロス』に動きはなく、本作が遊べるのはWii Uだけ。すでにクリア済みですが、『ゼノブレイドクロス』を遊べる環境を保持したかったため、専用機にも近い形で設置し続けていました。 その大役を約10年にわたって果たしてくれましたが、2025年に『ゼノブレイドクロス』のリマスター版がスイッチに登場したことで状況は大きく変わります。オリジナル版との差異はあるものの、プレイ環境という意味ではWii Uにこだわる必要がなくなりました。 長い間大役を務めてくれてありがとう、という気持ちと共に、『ゼノブレイドクロス』のパッケージは、棚から押入れの中に居場所を移しました……が、Wii Uは未だに健在で、モニタのそばに設置してあります。 実は、Wii U向けのニンテンドーeショップが2023年3月に新規販売を終了したため、その寸前にいくつものWii U向けDLゲームを買い込みました。『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』や『うしろに立つ少女』、『メタルスレイダーグローリー』、『罪と罰 地球の継承者』といったバーチャルコンソールソフトを中心に。 2017年にスイッチが登場して以来、活躍の場が減ったWii Uは『ゼノブレイドクロス』専用機になりつつありましたが、2023年を機にバーチャルコンソール専用機という役目が増え、それが今も続いている状況です。 「Nintendo Switch Online」で遊べるレトロゲームが買い切りで購入できれば、Wii Uの使用率も少し下がるのですが、その可能性はかなり薄そうなので今後もWii Uに頑張ってもらいます。 ■「Wii」は、ゲームキューブソフトがあるから手放せない 我が家でWii Uが現役なのは、互換機能によりWiiソフトが遊べるから、という一面もあります。いずれもクリア済みですが、『斬撃のレギンレイヴ』、『パンドラの塔 君のもとへ帰るまで』、『罪と罰 宇宙の後継者』などが移植やリマスター化されない限り、Wii Uのプレイ環境を手放すのは難しいところです。 一方で、Wii自体はさほど役目がありません。バーチャルコンソールも含めてWii Uに「おひっこし」が済んでいますし、Wiiソフトを遊ぶ環境としてはWii Uだけで事足ります。 そのため、Wii Uのように即起動できる状態ではなく、今は箱に戻して眠っている状態です。スイッチ2から数えて3世代前の据え置き機ともなると、出番が減るのも止むを得ません。 しかし無用かと言われれば、答えは明らかに「No」です。未だ他機種展開のない『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』や、オフラインでも楽しい『ファンタシースターオンライン エピソード1&2plus』を遊べる貴重なゲーム機なので、まだまだ処分はできません。 また、予約特典だった『ゼルダの伝説 時のオカリナGC』も持っているので、Wiiの存在はやはり重要です。もちろん、こうしたタイトルはゲームキューブでも遊べるのですが、Wii本体はスリムなので場所を取りにくいため、遊ぶ際に設置するならこちらに軍配が上がります。 個人的な意見ですが、後方互換機能の有無が稼働や保管を左右する大きなカギとなります。では、互換機能がないと用済みになるのか。その点についても、一例を挙げてみます。 ■PS4ソフトはPS5で遊ぶものの、専用機として活躍中の「PS4」 大きな活躍を果たした前世代機といえば、PS4を思い出す人も多いはず。家庭用ゲーム機としては高性能路線を目指しつつも、価格改定で手も出しやすく、世界的に広まった名機のひとつと言えます。 しかしPS4は、直接的な互換機能を持ちません。オンラインサービスで過去のゲームを遊べますが、サブスクリプションによるサービスなので意味合いが少々変わります。またPS4ソフトはPS5で遊べるため、現状では「PS4だからこそ」という特徴がやや弱い印象です。 実際、筆者もPS4ソフトのほとんどをPS5で遊んでいます。普通のPS4ソフトを遊ぶためにPS4を起動させる機会はめっきり減りましたが、普通のソフトではなく「PSVR」専用機として活躍中です。 PS4ソフトはそのままPS5で遊べますが、PSVRソフトをPSVR2で遊ぶことはできません。PSVR自体はPS5に接続可能ですが、接続するコードや機器が多いため、通常のゲームプレイと平行して使うのは少々煩雑です。 普通のソフトはPS5に任せられるため、PS4はPSVRをセットした状態で設置し、専用機としていつでも遊びやすい環境として構築しました。VR体験の質はPSVR2や他のVR機器と比べると劣りますが、PSVRでしか体験できないゲームも少なくないため、専用機として確保できるのは助かります。 『サマーレッスン』シリーズは当時衝撃を受けましたし、『V!勇者のくせになまいきだR』に登場する「ムスメ」はVRゲームでも指折りの可愛さ。『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』自体は他機種でも遊べますが、VRモードはPSVRだけの特権です。 そして、名作『Bloodborne』を手がけたSIE JAPANスタジオ&フロム・ソフトウェアと同じ開発体制で作られた『Deracine(デラシネ)』も、PSVRでしか遊べません。この作品がPSVRでしか遊べないのは、機会損失も甚だしい……! 正直な話をすると、こうした作品がPSVR2でも遊べるようになれば、PS4(とPSVR)を箱に収めると思います。しかしPSVR2への対応はなさそうなので、このままPSVRで遊び続けることでしょう。 ■「PS3」はPS4よりも出番が多め! 今回紹介するの最後のゲーム機は、PS3です。PS4よりもさらに一世代前のゲーム機ながら、筆者はまだまだ活用しています。むしろ、使用する機会はPS4よりも頻度が多め。PS3ソフトを互換機能で遊べるハードがないため、遊ぶ環境は未だにPS3本体一択です。 さらに、初代PSソフトが遊べる互換機能とゲームアーカイブスの存在もあるため、PS3をしまい込むわけにはいきません。家にあるPS3は初期型ではないため、PS2ソフトをカバーできないのが難点ですが、それを差し引いても現役の価値は十分あります。 ゲームアーカイブスだけでも、いつまでもリメイクされない『ゼノギアス』に『デュープリズム』、コアなゲームファンに刺さる作りがたまらない『ベアルファレス』や『高機動幻想ガンパレード・マーチ』など、魅力的なゲームに事欠きません。 また、強烈なキャラがクセになる『ロビット・モン・ジャ』、飛空船独特の浮遊感がたまらない『ベルデセルバ戦記 ~翼の勲章~』、現行機向けの続編を延々と待っている『サイキックフォース2』、学園伝記モノの金字塔『東京魔人學園剣風帖』、こんなひと夏を過ごしたかった『どきどきポヤッチオ』など、手元に置いておきたいタイトルはいくらでもあります。 ゲームアーカイブスはPS Vitaでもプレイできますが、大きな画面で遊びたいため、ついPS3でプレイしてしまいます。あと、PS Vitaのメモリーカード容量は専用ソフトだけでほぼ使い切っているため、ゲームアーカイブスソフトを入れる余裕がなく……! あくまで“ひとりのゲーマーの例”として取り上げましたが、思い出に残る1本があるから前世代機を手放せない、という人はきっと少なくないはず。設置するスペースに余裕さえあれば……という嘆きは、ゲーマーあるあると言えるでしょう。 余談ですが、『星のカービィ』の生みの親であり、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの中核的存在である桜井政博氏は、ゲーム機・ゲームソフトともに膨大な数を所持しています。 それらを桜井氏がどのように収納しているのか、カテゴリー別に分かりやすく解説する動画が、同氏のYouTubeチャンネルにて公開されています。かなり古いゲーム機はマンションや業者のストレージに保管し、使用頻度の高いものはオーダーメイドで作ったゲーム機棚に収納しているとのことです。 その収納術を見習いたいところですが、なかなか手が回らないのが現状です。設置場所を悩む苦労は、遊びたいゲームがある限り今後も続くことでしょう。 ちなみに、今話題のスイッチ2はまだ手に入る目途がなく、スイッチの立場が脅かされる恐れはまだありません。仮に手に入ったとしても、ストレージを節約するためにスイッチを使い続ける予定です。 皆さんは、前世代機をしまいますか? 処分しますか? それとも、遊び続けますか?

インサイド 臥待 弦

インサイド
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: