過去一大きいフロリダパンサーをキャッチ&リリース。「解放される理由」が悲しすぎる

Image: FWC Fish and Wildlife Research Institute

75kgでもネコはネコ。肉球プニプニしたい。

フロリダ州魚類・野生生物保存委員会(FWC)の発表によると、これまでに記録されたなかでもっとも重いフロリダパンサーを一時的に捕獲し、調査のためにGPS付きの首輪を装着してリリースしたそうです。

記録破り、過去最大75kgのフロリダパンサー

Image: FWC Fish and Wildlife Research Institute

パンサーは麻酔を施されて健康評価などを受けたあと、通常の個体数調査の一環としてリリースされました。この個体はオスの成獣で、体重がなななななんと75kgもあったそうですよ! うちのネコを全員足しても45kgくらいなのでぜんぜん足りない…。

フロリダパンサーのオスは体重が45~73kgになるとのこと。今回の個体はもっと大きくなっちゃうんでしょうか。ここまでくるとどこまでデカくなるのか見てみたい気もします。間近じゃなく、ニュースで見たいという意味で。

メスはかなり小さくて、32~45kgくらいなのだとか。いや、よく考えるとぜんぜん小さくないな。でも、ネコと比較するとオスとメスの体重差がかなり大きいですね。

で、このフロリダパンサー、何がデカいって、肉球ですよ、肉球! 見てこれ。

Image: FWC Fish and Wildlife Research Institute

人間の手とくらい。爪を立てずにおなかをフミフミとか頬っぺたを肉球タッチとかしてほしい。もっと現実的なところで、ネコと比べてどれくらい硬いのか触ってみたい。

FWCによると、パンサーにGPS付きの首輪を装着する際に、合わせて血液検査遺伝子分析のための組織サンプル採取などの包括的な健康評価も行なわれたそうです。元気に生きて。

絶滅危機にあるフロリダパンサー

フロリダパンサーは、クーガー(ピューマ)の絶滅危惧亜種で、昔はサンシャイン・ステートの愛称で知られるフロリダ州からルイジアナ州、さらにはアーカンソー州あたりまで広く生息していたんですけど、過去数世紀にわたる狩猟が響いて、個体数が激減。なぜそんなに狩りたがる?

全米野生生物連盟(National Wildlife Federation, NWF)によると、フロリダパンサーはいま、フロリダ州南西部の湿地帯や沼地、高地森林、ノコギリヤシの群生地などに生息地が限定されているそうです。ハリケーンがよく直撃してるあたりやんか…。

FWCの調査では、フロリダパンサーは現在120~230頭しか生き残っていないのだとか。種を存続させるのに十分で健全な個体数とは言えない気が…。

これでも、もっとも個体数が少なかったとされる1970年代の20~30頭からかなり回復しているんです。

絶滅を避けるために、フロリダ州当局は1990年代にテキサス州からメスのパンサー(近似種)を8頭連れてきて、フロリダパンサーの生息域にリリース。苦肉の策が功を奏して、個体数の回復につながったといいます。

死ぬな、生きて

昔は狩猟によって個体数が激減したフロリダパンサーですが、個体数が増えてきた現在は、悲しいことに自動車事故で命を落とす個体がほとんどのようです。2024年には36頭のフロリダパンサーの死亡が確認されていますが、そのうち29頭が自動車事故によるものだそう。

なんというか、元々パンサーが住んでいた場所に人間があとから踏み入っている事実を踏まえると悲しくなります。

でも、うれしいことに、フロリダ州もただ手をこまねいて見ているわけではないみたいです。同州は、米運輸省から610万ドル(9億1300万円)の支援を受けて、パンサーの生息域を含む3地域の道路に動物専用の横断通路を建設する計画を立てているといいます。急いで。

今回のキャッチ&リリースで、当局はGPS付きの首輪をパンサーに装着しましたが、これによって生態を追跡調査できるとのこと。生息域を正確に把握できれば、よりピンポイントな保護対策を講じられるようになりそう。FWCはFacebookへの投稿で次のように説明しています。

「この取り組みは、パンサーの移動や健康状態、個体群動態を監視する長期的な研究プログラムの一環です。このプロジェクトは、絶滅の危機にひんしているフロリダパンサーの保護活動に不可欠なデータを提供します」

75kgの大きいネコも、4kgくらいの小さいネコも、安全に健やかに暮らしてほしい。小さいネコたちに飼われている身として、心からそう願います。

Source: FWC Fish and Wildlife Research Institute / Facebook, Live Science

Reference: National Wildlife Federation, U.S. Fish & Wildlife Service, Wink, Environment Florida

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