イスラエル情報機関トップ、ネタニヤフ氏を痛烈批判 解任要求巡り

 イスラエルの対内情報機関シンベトのバー長官は21日、ネタニヤフ首相が自身の解任を試みたのは、反政府デモ参加者の偵察や首相の汚職裁判の妨害などの要求を拒否したためだと主張した。写真は昨年10月、ハマスによる攻撃犠牲者の追悼式に参列するバー氏。代表撮影(2025年 ロイター)

[エルサレム 21日 ロイター] - イスラエルの対内情報機関シンベトのバー長官は21日、ネタニヤフ首相が自身の解任を試みたのは、反政府デモ参加者の偵察や首相の汚職裁判の妨害などの要求を拒否したためだと主張した。

最高裁に提出された宣誓供述書で、解任の試みは職務上の理由ではなく、個人的な忠誠を求める同首相の期待に応えなかったことがきっかけだったと述べた。

ネタニヤフ氏側は「虚偽に満ちている」として供述書の内容を一蹴した。

ネタニヤフ氏は3月、イスラム組織ハマスによる2023年10月7日の襲撃を防げなかったことを巡り信頼を失ったとして、バー氏を解任する意向を表明。内閣もこれを支持した。

ただ、解任の動きに抗議するデモが広がり、野党などから解任は違法との批判が出る中、最高裁が差し止めた。

バー氏は供述書で、解任を目指す動きはハマスによる襲撃から1年以上経ってから始まったとし、昨年11月から今年2月に起きた一連の出来事が背景にあるようだと指摘。

ネタニヤフ氏側近とカタールのつながりを巡るシンベトの捜査や、シンベト自身の失敗を巡る調査で10月7日の襲撃前に政府が警告を無視していたと判明したことなどを挙げた。

バー氏はネタニヤフ氏の汚職裁判での証言継続回避を目的とした安全保障上の要請を承認しなかったことも明かした。ネタニヤフ氏は昨年12月に証言を開始した。

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