韓国、関税巡り米当局者との協議模索 企業に緊急支援措置へ
[ソウル 3日 ロイター] - 韓国の韓悳洙大統領代行は3日、米国の関税措置で影響を受ける企業への緊急支援措置の策定と米政府との協議を指示した。
産業通商資源省によると、韓氏は企画財政相ら政府高官との会議で「世界的な貿易戦争が現実となった今、政府は貿易危機を克服するために全力を尽くさなければならない」と発言。産業通商資源相に対し、関税の内容を分析し、影響を最小限に抑えるため米政府と積極的に交渉するよう求めた。
崔相穆企画財政相は韓国銀行(中央銀行)総裁ら金融当局者と会談後、金融市場のボラティリティーを過剰と見なした場合、安定化のためあらゆる手段を講じると述べた。
トランプ大統領は演説で、アジアの安全保障同盟国である韓国と日本を名指しし、米国に対して不公正な貿易慣行を行っていると非難した。
アナリストはトランプ氏が発表した関税は予想より厳しく、韓国経済に暗雲をもたらすと指摘する。
アイエム証券のエコノミスト、パク・サンヒョン氏は「国内経済への大きな打撃は不可避」とし、「自動車など主要輸出品が大きな打撃を受けるのは明らかで、ベトナムの生産拠点を通じた対米輸出も大きな影響を受ける」と述べた。
トランプ政権はベトナムに46%の関税を課す方針だ。サムスン電子やLG電子などは東南アジア諸国に生産拠点を置いている。
トランプ氏が相互関税を発表する前、韓国当局は米国との包括的な自由貿易協定に基づき韓国が課す関税はほぼゼロとなっているとして、免除を求めていた。
新韓銀行のエコノミストは、米国の新たな関税について「米韓自由貿易協定を事実上無効にしたと評価される」と述べた。
企画財政省の当局者はロイターに対し、これまでに得られた情報から、25%の関税率が自由貿易協定よりも優先されることが示唆されており、政府は関税率を引き下げるために米国との交渉を積極的に模索していると語った。
Semiconductors, automobiles and auto parts accounted for 42% of South Korea's total exports to the U.S.私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab