NY市場サマリー(3日)S&P・ナスダック上昇、ドル・利回りも上昇
<為替> 米連邦準備理事会(FRB)が12月の会合で追加利下げを決定するか不透明感が高まる中、ドルがユーロや円などの主要通貨に対し上昇した。ただ米国ではなお政府機関の一部閉鎖で主要な経済指標の発表が滞っており、経済の実態を推し量るのが難しくなっているため、ドルにはリスクがなお残っているとの見方も出ている。
終盤の取引でドル/円は0.1%高の154.19円。日米の金利格差が引き続き注目されている。
ユーロ/ドルは0.1%安の1.152225ドル。一時1.1505ドルと、8月1日以来の安値を付けたが、米供給管理協会(ISM)発表の10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が悪化したことを受け、ユーロは対ドルで下げ幅を縮小した。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りが上昇した。企業の大規模起債や米連邦準備理事会(FRB)パウエル議長の先週の会合後の発言を受けた弱気相場が継続している。
FRBは先週28─29日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定。ただ、パウエル議長はFOMC後の記者会見で、「12月会合での利下げ決定は既定路線ではない」との見方を示唆。市場の利下げ期待は後退した。
また、先週から大手テック企業による起債が相次いでいることも国債利回りの動きに影響。ソーシャルメディア大手の米メタ・プラットフォームズ(META.O), opens new tabは先月30日の提出書類で、過去最大の社債発行を通じて最高で300億ドルを調達すると明らかにした。また、米グーグルの持ち株会社アルファベット(GOOGL.O), opens new tabは3日、米ドル建てとユーロ建ての社債を発行した。大量の社債発行は国債の重しとなる可能性がある。
10年債利回りは先週末からわずかに上昇し、4.107%となった。
米金融・債券市場:
<株式> S&P総合500種(.SPX), opens new tabとナスダック総合(.IXIC), opens new tabが上昇して取引を終えた。経済指標の不足により、米連邦準備理事会(FRB)の短期的な金融政策を巡る不透明感が高まっているものの、人工知能(AI)関連企業の契約が支援材料となった。
テクノロジー株が中心のナスダックが上げを主導。一方、ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabはヘルスケア企業のユナイテッドヘルス・グループとメルクの下落に押され、マイナス圏に沈んだ。
アマゾン・ドット・コム(AMZN.O), opens new tabは3日、生成AI「Chat(チャット)GPT」を手掛ける米オープンAIに対し、7年間で380億ドルの契約に基づきクラウドサービス「AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)」を提供すると発表した。これを受けてアマゾンが急伸した。
半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabも、トランプ米大統領が2日、同社のAI用最先端半導体「ブラックウェル」について、米国企業向けに確保され、中国やその他の国には提供されないと述べたことを受け買われた。
米国株式市場:
<金先物> 安値拾いの買いに支えられ、反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前週末比17.50ドル(0.44%)高の1オンス=4014.00ドル。
NY貴金属:
<米原油先物> 供給過剰を巡りさまざまな思惑が交錯する中、4営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前週末比0.07ドル(0.11%)高の1バレル=61.05ドルだった。1月物は0.15ドル高の60.75ドル。
NYMEXエネルギー:
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