京都:電動スケーター 交通規則守って :地域ニュース : 読売新聞

電動キックスケーターの運転ルールや乗り方を学ぶ参加者(川端署で)

1年で違反704件 府警が講習会 

「車両という認識持ってほしい」 

 昨年7月施行の改正道路交通法で、運転免許なしで乗ることが可能となった立ち乗りの二輪車「電動キックスケーター」について、府警が講習会を開催するなど交通ルールの周知を強化している。速度設定を変えずに歩道を走行するなど通行区分に関する違反が目立っており、府警は「電動キックスケーターは車両という認識を持ってほしい」と呼びかけている。(東大貴、林興希)

「点滅モード」に切り替えるよう求める歩道の表示(中京区で)

 改正道交法の施行に伴い、最高時速が20キロ以下で大きさなど一定の基準を満たす電動キックスケーターは「特定小型原動機付自転車(特定原付)」に位置づけられ、16歳以上は運転免許なしで乗れるようになった。最高時速を6キロ以下に制限し、緑色のライトを光らせる「点滅モード」に変更すれば、歩道も走行できる。

 電動キックスケーターを巡っては、レンタル事業を手がける「 Lu(ル)u(ー)p(プ) 」(東京)が京都や大阪、東京など全国11都市で事業を拡大。インターネットの登録のみで利用できる手軽さが好評な一方、交通ルールが浸透せず、全国で歩行者への接触事故などが後を絶たない。

 府警交通企画課によると、改正法施行後、今年6月までの1年間で電動キックスケーターによる違反は704件だった。点滅モードに切り替えず歩道を走行する通行区分違反が373件と半数以上を占め、信号無視103件、一時不停止97件と続いた。飲酒運転による検挙も41件あった。違反者の年代別では20歳代が421件と6割を占め、職業別では大学生が346件と半数近くに上った。同課の担当者は「軽い気持ちで違反してしまうケースが多い」と分析する。

 府警は交通ルールを順守してもらえるよう、周知に力を入れている。特に利用者が多い京都市内の御池通で8月以降、歩道沿いの標識の下に点滅モードへの切り替えを求める表示を新たに設けたほか、府警公式ユーチューブチャンネルで啓発動画も公開し、府内の自動車教習所での交通安全教育も行っている。

 川端署では9月27日、運転ルールを学ぶ講習会が開かれ、大学生や高齢者ら13人が参加した。署員が「ヘルメットをかぶり、通行可能な道路を走って歩行者と自らの安全を守ってほしい」などと呼びかけた。

 参加者は敷地内で試乗し、左京区の大学4年松本颯さん(22)は「街中で見ることが多くなったが、意外にスピードが出る。乗る際は適切な速度の切り替えを意識したい」と話していた。

 同署の八田康裕交通課長は「スケーターは自転車ではなく、バイクに近い乗り物。気軽に乗車できるが、ルールはしっかり守ってほしい」と強調している。

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