バルセロナ、レアル・マドリーとの死闘を制して4年ぶり32回目の国王杯優勝!116分にクンデが劇的ゴールを決める(GOAL)

26日のコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)決勝バルセロナ対レアル・マドリーは3-2でバルセロナが勝利し、2021年以来となる4年ぶり32回目の優勝を果たした。 【動画】ペドリがゴラッソ!クンデが決勝点 2014年以来史上8回目のコパ決勝クラシコが実現。今季ここまでのクラシコでは、バルセロナがラ・リーガ前半戦(4-0)、スペイン・スーパーカップ決勝(5-2)と2戦全勝を果たしており、今回の下馬評でも有利とされている。だが今季低調とされるマドリーに、“理不尽でも勝つ力”が備わるのは誰もが知るところだ。例えば、バルセロナを下した過去4回のコパ決勝クラシコ(1936、1974、2011、2014年)では、当該シーズンの国内リーグ戦でいずれも優勝を逃しており、完全な強さを誇るチームとは言えなかった。 バルセロナはバルデ、エースのレヴァンドフスキを負傷で欠き、フリック監督は彼らの代わりにジェラール、フェランを起用している。全スタメンはGKシュチェスニー、DFクンデ、クバルシ、イニゴ、ジェラール、MF後列ぺドリ、フレンキー・デ・ヨング、前列ヤマル、ダニ・オルモ、ハフィーニャ、FWフェランで、システムは4-2-3-1。 一方のマドリーは今季のメインシステム4-3-3から、昨季ラ・リーガ&チャンピオンズリーグの二冠を達成した中盤ダイヤモンドの4-4-2へと回帰して、ロドリゴが先発落ちとなる可能性が噂されていた。しかし蓋を開けてみれば、負傷明けのエンバペがベンチスタートとなっている。全スタメンはGKクルトワ、DFルーカス・バスケス、アセンシオ、リュディガー、メンディ、MFチュアメニ、セバージョス、バルベルデ、ベリンガム、FWヴィニシウス、ロドリゴ。 前半は予想通りの展開に。つまりはバルセロナがボールを保持して、マドリーが堅守速攻からゴールをうかがった。バルセロナはヤマルとジェラールがサイドで幅を取り、ダニ・オルモ、ハフィーニャ、フェランを中央の3レーンに配置する形でマドリーの守備に穴を空けようと試みた。しかしマドリーはアンカーのチュアメニがDFラインまで下がり、5バックになることで守りの数が足りなくなることを防いでいる。 ただ、マドリーは9分にアクシデントが……。負傷明けのメンディが体を痛めてプレー続行不可能となり、アンチェロッティ監督は代わりにフラン・ガルシアを投入している。 バルセロナにボールを持たれながらも、マドリーの守備はある程度機能しており、危険な場面を許すことはほとんどなかった(カウンターはいまいち機能していなかったが)。しかしながら28分、バルセロナがポゼッションではなくトランジションからの攻撃を物にして、スコアを動かすことに成功している。 ベリンガムの縦パスをクバルシがカットし、こぼれ球を拾ったぺドリが右サイドのヤマルに高精度のロングパス。パスを受けたヤマルはペナルティーエリア内右に侵入し、フラン・ガルシアと対峙しながら少しを時間を使い、エリア手前にマイナスをパスを送る。そこに飛び込んでダイレクトシュートを放ったのは、ぺドリだ! “世界最高のMF”の呼び声高い背番号8は、ペナルティーアークから右足を思い切り振り抜く。ボールはしっかりと高度を取り、クルトワが横っ飛びしても届かない枠内左上隅に突き刺さっている。 前半はバルセロナがリードと優位な展開を維持したまま終了する。アンチェロッティ監督はハーフタイム、ロドリゴを下げてエンバペを投入。すると後半、眠れる白い獣が目を覚ましている。 マドリーは前線から激しいプレッシングを仕掛け、バルセロナのビルドアップを阻止しながら、凄まじい切れ味のカウンターを仕掛けていく。ベリンガムが攻守にわたって絶大な存在感を発揮し、そこからエンバペとヴィニシウスがバルセロナのゴール前まで一気に駆け抜け、シュートを放っていった。アンチェロッティ監督は55分にL・バスケス、セバージョスを下げてギュレル、モドリッチを入れて攻勢を強め、一方フリック監督は64分にダニ・オルモをフェルミンに代えた。迫力あるプレスと攻撃を見せるマドリーがゴールを決めるのは時間の問題に思えたが、その通りに70分、ついにスコアをタイに戻している。 速攻を仕掛けたエンバペがペナルティーエリア手前でF・デ・ヨングに倒されてFKを獲得。そのままキッカーも務めたフランス代表FWは、壁とは反対側に低空の鋭利なシュートを放ち、ボールは左ポストに当たってから枠内に収まった。エンバペは今季公式戦34得点目。 マドリーの勢いは収まらず、77分についに逆転を果たした。右CKでギュレルがよく曲がって落ちる、精度の高いクロスをペナルティーエリア内に送ると、チュアメニがヘディングシュートでシュチェスニーを破っている。セビージャ州のスタジアム、カルトゥハに集まった2万7000人のマドリーサポーターは、自チームの逆転劇に狂喜乱舞だった。 しかしながら84分、今度はバルセロナサポーターの2万7000人が歓喜を雄叫びを上げた。右サイドのヤマルがロングボールを送り、フェランがDFラインを突破。背番号7は飛び出したクルトワもかわして、無人のゴールにボールを流し込んだ。バルセロナが縦に速い攻撃でもって同点に追いついている。フリック監督は直後、F・デ・ヨング、ジェラールを下げてガビ、アラウホを投入(イニゴ・マルティネスが左サイドバックに)。対するマドリーはヴィニシウスが負傷し、アンチェロッティ監督はブラヒムをピッチに立たせている。 その後は前半のように、バルセロナが敵陣でボールを保持してマドリーが速攻を狙う展開。アディショナルタイムにはラウール・アセンシオがペナルティーエリア内でハフィーニャを倒したとして、ベンゴエチェア主審がPKを指示するが、オンフィールドレビューの後にハフィーニャのダイブだったとしてバルセロナ主将にイエローカードを提示している。後半は結局2-2のまま終了し、試合は延長戦に突入した。 延長戦前半は攻守のターンがよく入れ替わり、しかし疲労も顕著でチャンスに乏しい展開(フリック監督は消耗が激しかったぺドリをエリック・ガルシアに代える)。その中でバルセロナは104分、ハフィーニャのスルーパスからフェランが対角線上にシュートを放ったが、これは枠の右に外れた。延長戦後半も状況は変わらず。バルセロナは108分にフェルミンがフィニッシュまで持ち込んだが、ボールは枠の上へ。マドリーは110分に足を引きずっていたリュディガーをエンドリッキに代えるが、こちらもゴールを奪えない状況が続く。 しかし116分、両チーム疲労の色が非常に濃くなる中で、決まる予感がなかったゴールが突として決まった。決めたのは……バルセロナだ! マドリー陣地深い位置で、モドリッチのブラヒムに送った横パスをペナルティーエリア手前のクンデがカット(ブラヒムがクンデを存在を感じてパスを受けにきていれば……)。クンデはそのまま右足を振り抜くと、地を這うシュートが枠の左隅に決まっている。バルセロナはフランス代表DFが決めたゴールを最後まで守り切り、コパ優勝を果たしている。ラ・リーガ、チャンピオンズリーグ優勝で三冠の可能性も残す同チームにとっては、とりあえず一つ目のメジャータイトルだ。 その一方、健闘しながらもあと一歩及ばなかったマドリーは、今後数日中にフロレンティーノ・ペレス会長とアンチェロッティ監督が話し合いの場を持つ予定。アンチェロッティ監督はこのコパ優勝を逃せば、クラブ・ワールドカップ開幕前にクラブを離れることが濃厚と報じられている。

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