トルコのトレーダー、さらなる変動に身構え-イマモール氏逮捕後

Tugce Ozsoy、Beril Akman

  • オフショア市場でリラを借り入れるコスト、23年6月来の高水準付近
  • トルコ債5年物CDSは327bp、1年ぶり高水準からほぼ変わらず

オフショア市場でトルコの通貨リラを借り入れるコストと、同国の債務のデフォルト(債務不履行)に対する保険料は24日、21日までの週とほぼ同等の水準で推移している。

  トレーダーが引き続き強い警戒感を抱いていることが示唆される。リラは24日、ドルに対して下落している。

  「トゥモロー・ネクスト・オフショア・フォワード・インプライド・イールド」として知られるオフショア市場のレートは、イスタンブール時間午前8時18分時点で2023年6月以来の高値付近となる187%。

  トルコ債の5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は327ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、1年ぶり高水準を記録した21日の水準からほぼ変わらず。

  エルドアン大統領の政敵であるイマモール・イスタンブール市長が23日に汚職容疑で正式に逮捕・収監されたことを受け、トレーダーは24日のトルコ資産のさらなる変動に備えている。

  次期国政選挙におけるでエルドアン大統領の最大のライバルと目されているイマモール氏の逮捕で、23日には主要都市で抗議活動や警察との衝突が相次いだ。

  ブルームバーグが集計したデータによると、イスタンブール時間午前8時21分時点、リラは約0.1%安の1ドル=38.0086リラ前後。

  先週のイマモール氏の拘束により市場は混乱し、リラとトルコ株は急落、債券利回りは急上昇した。経済および金融当局は、影響を最小限に食い止めようと動き出した。

  中央銀行が23日に銀行の経営陣と会合を開き、市場変動の可能性と今後の対応について話し合ったと、ブルームバーグが事情に詳しい関係者の話を基に報じた。銀行協会はその後、金融当局と銀行が「技術的な会議」を開いたと発表した。

  また、シムシェキ財務相が規制当局と会合を持ち市場の混乱に対する措置について話し合ったと、ブルームバーグHTが報じた。

  トルコの資本市場規制当局は23日夜、空売りを禁止し、自社株買い戻しルールと信用取引の要件を緩和する措置を発表した。

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原題:Turkish Traders Brace for More Volatility After Imamoglu Arrest(抜粋)

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