高配当株を探す必要はない…新NISAで「配当だけで暮らす」ためにお金のプロが推す「高配当株ファンド」の名前

配当をもらいながら優雅に暮らせたら――。そんな夢を見ている人も多いだろう。経済評論家の頼藤太希さんは「夢の配当生活を手に入れたいと思うなら、高配当株より高配当株ファンドのほうが手軽。その理由は主に4つある」という――。

写真=iStock.com/courtneyk

※写真はイメージです

高配当株とは、株価に占める配当金の割合(配当利回り)が高い銘柄のことです。一般的に配当利回りが3%を超えてくると「高配当」といわれます。「夢の配当生活」を送るなら、高配当株への投資は欠かせませんが、高配当株ファンドはそうした高配当銘柄を主な投資対象とした投資信託です。

高配当株ファンドに投資するメリットを整理すると、次のとおりです。

●メリット1:分散投資が手軽にできる

高配当株ファンド1本に投資するだけで、数十の高配当銘柄に分散投資ができます。

仮に組み入れられている銘柄のどれかの業績が悪化し、配当を減らす「減配」や配当をなくす「無配」が行われたとしても、他の銘柄でカバーできるというわけです。

高配当株ファンドには、高配当株価指数に連動するインデックスファンドや、配当利回りの高い銘柄の中から銘柄選定・見直しが行われるアクティブファンドがあります。いずれにしても銘柄は定期的に見直し・入れ替えを行っていますのでこの点も安心できます。

●メリット2:100円から1円単位で積み立てしやすく再投資しやすい

ネット証券を利用すれば、100円と少額から積立投資ができます。投資信託から得られる分配金も自動的に再投資ができるので、利益が新たな利益を生み出す複利効果も得られます。個別株にも積立投資サービスや配当金の再投資サービスを用意している金融機関がありますが、ごく限られています。投資信託のほうが積み立てしやすく再投資しやすいのがメリットです。

●メリット3:NISAと相性がよい

NISAで投資ができる高配当株ファンドが多くあります。NISAでは、投資した資産の値上がり益だけでなく、配当金や分配金も一生涯非課税にできます。

たとえば、NISAで高配当株ファンドに1000万円分投資して、そこから年4%の分配金が得られる場合、年40万円が非課税にできるというわけです。

●メリット4:暴落や下落相場に比較的強い

高配当株ファンドが投資対象とする銘柄は、配当金を安定して出している優良銘柄です。市場全体が暴落や下落しているときには、優良株であっても一時的に値下がりしますが、株価が下落すると高配当銘柄の配当利回りは上昇します。すると、割安感から買いが集まります。

暴落や下落局面では、高配当の優良銘柄が買われる傾向にあるので、値下がりしづらく、下がったとしてもいち早く値上がりする特徴があります。高配当株ファンドも、暴落や下落相場にも比較的強いです。暴落中や下落相場の間も定期的に分配金がもらえれば、心の安定を得ながら市場の回復を待ちやすいというメリットもあります。

『会社も銀行も役所も教えてくれない 定年前後の人生戦略』(プレジデント社)

これで納得、安心! 「増やして」「使い切る」“アラ定年”からのマネー戦略。定年前・定年後に後悔しない「賢い選択」を徹底教示します。60歳「資産ゼロ」から生き残るのはどっち――?


Page 2

  • 経済評論家・マネーコンサルタント

高配当株ファンドを選ぶポイントをまとめると次のようになります。

(1) 分配金利回りの高さの根拠 ・分配金健全度は100%に近いか:1年、3年、5年、10年をチェック ・どんな銘柄に投資をしているのか

(2)分配金利回りの推移……5年、10年と安定して高く、他のファンドよりも高いか (3)トータルリターンの推移……5年、10年と安定してプラスで、他のファンドよりも高いか (4)購入時手数料(販売手数料)は無し、信託報酬・実質コストともに低いか

(5)月次資金流入が堅調で、純資産総額と基準価額は右肩上がりか

・純資産総額50億円以上か(設定後1年未満は除く)

(6)業績が安定している「運用会社」か

高配当株ファンドを選ぶときにまず目がいってしまうのは分配金利回りです。分配金利回りは、高いほど投資金額に対して多くの分配金を得られることを示します。

しかし、それほどの分配金利回りを達成するためにどんな銘柄に投資をしているのか、どんなリスクを取っているのかは必ず把握しましょう。

前述のとおり、分配金が普通分配金なのか元本払戻金なのかの確認は重要です。日本経済新聞のWebサイトなどには「分配金健全度」といって、分配金に占める普通分配金の割合が示されていますが、100%(=すべて普通分配金)に近いかどうかを確認しましょう。

分配金利回りやトータルリターンは、あくまで過去の実績であって、将来も高い保証はありません。しかし、過去5年、10年ときちんとした運用を行い、実績がある高配当株ファンドのほうが信頼できるでしょう。

投資信託のコストを比較する

そのうえで、低コストのファンドを選びましょう。購入時手数料(販売手数料)はなしのファンドであること、保有中のコストである信託報酬が安ければ、利益が出しやすくなります。また、信託報酬だけでなく実質コストも確認しましょう。

実質コストは、投資家が実際に負担した手数料のこと。前もって「いくら」と示せないため、ファンドの一定期間の運用結果をまとめた「運用報告書」に記載されています。「信託報酬が安いからと購入したにもかかわらず、実際には実質コストが高かった……」ということもありえますので、チェックしておきましょう。なお、設定後間もないファンドで、運用報告書がまだ出ていない場合などは、確認できません。

投資信託の運用にはある程度の資産規模が必要です。純資産総額は、新規設定されたばかりの投資信託を除き少なくとも50億円は欲しいところです。純資産総額が少ないと分散投資が実行しにくいですし、早期に運用を終了する繰上償還が行われる可能性もあります。

繰上償還とは、運用会社が運用を終了し、その時点での資産額で資金が返還されることです。繰上償還が行われる時点で運用損を抱えていたら、その損が強制的に「実現損」になってしまいます。その後の回復や値上がりを待つことができなくなるのですから、これはマイナスです。純資産総額が右肩上がりで増えていくためには、月次資金流入が堅調である投資信託が望ましいでしょう。

『会社も銀行も役所も教えてくれない 定年前後の人生戦略』(プレジデント社)

これで納得、安心! 「増やして」「使い切る」“アラ定年”からのマネー戦略。定年前・定年後に後悔しない「賢い選択」を徹底教示します。60歳「資産ゼロ」から生き残るのはどっち――?

関連記事: