「御上先生」松坂桃李、岡田将生に全幅の信頼 槙野の表情「彼なりの引き算と逆算がある」【ネタバレあり】
日本の教育・政治・権力構造に一石を投じる、松坂桃李主演の日曜劇場「御上先生」(TBS系・毎週日曜よる9時~)。変革を目指す文科省のエリート官僚・御上孝が高校教師となり、令和の高校生たちに影響を与えながら権力に立ち向かっていくさまを描き、大きな反響を巻き起こしている。今の時代に、楽しいだけのドラマではなく、メッセージ性のある重厚なドラマを制作することをどう考えるのか。主演の松坂が、今作に対する思いを語った。(以下、第9話のネタバレを含みます)
自分の中で考え続ける力が必要
「考えて」と生徒に伝えつづけてきた御上孝 - (C)TBS松坂は「これほどまでに、今やる意義のあるドラマだと思ったのは、自分の中でははじめてでした」と強調する。「メッセージ性が強く、ともすれば『考えが偏りすぎだ』と言われかねない物語で、クレームが来るかもしれないと思うほどの(強い主張を持った)作品ですが、それを作る意味を改めて実感しました」
ADVERTISEMENT「僕の仕事は、エンターテイメントを作る仕事ですが、それと同時に、その時代の世の中に何を投げかけるか、どういうメッセージや思いを伝えられるのかという面もあると思います。観てくださった方たちが何かを考えることができるのか、その方たちの重い気持ちを軽くすることができるのか。そんなふうにエンターテイメントとメッセージ性を融合させ、思いを込めたモノづくりを、これからの役者人生において、続けていきたいと思いました」
今作から最も強く発せられているメッセージは、御上が劇中で再三、生徒たちに語っている「考えて」という言葉だ。「アクティブリコールの話も、ビジコンも、文化祭の催し物をめぐるディベートも印象に残っていますが、どのシーンでも御上は必ず『考えて』と言うんです。たった3文字の台詞ですが、場面によってニュアンスが自然と変わります。生徒の空気と、みなさんのお芝居によってだと思うんですけど、僕自身、はじめての体験でした」という。それだけ、松坂の中でも大きな意味を持ったのだろう。
「考えても答えは出ないかもしれないですけど、考えて考え抜くこと、その考える力が、きっとそれぞれの人生を歩んでいくうえで、必要なことではないかと思います」と松坂。有象無象の真偽不明な情報がネットなどで飛び交い、簡単に手のひらが裏返ってしまう今だからこそ、「想像力を働かせながら、一面だけの情報に惑わされず、自分の中で考え続ける力が必要だと、僕自身にとっても大きな学びになりました」
ADVERTISEMENT物語にある3つの軸
槙野(別名:ヤマトタケル)と結託していた!(C)TBS今作には、「ゆとりですがなにか」シリーズで松坂と共演した盟友・岡田将生が、御上の文科省の同僚・槙野恭介役で出演している。「岡田には信頼しかないです」と松坂は断言し、「今回の物語は、3つの軸があります。1つは御上の学校の軸、2つ目は報道部の生徒・神崎拓斗(奥平大兼)と元教師の冴島悠子(常盤貴子)の軸、そして岡田の官僚の軸です。第9話以降、この3つが混ざり合っていきますが、官僚ブロックの空気作りは『あとよろしくね』って岡田に任せました」と明かす。
第9話のラストで、敵対していると思われていた御上と槙野が、実は当初から結託していた事実が明かされた。「中盤の槙野の表情に、『これ、(味方だって)匂わせすぎじゃない?』と岡田に言ったことがあります。でも『やっぱりそう思った? 俺もちょっと迷ったんだよね。でも大丈夫。仲間と思わせといて、その後の展開でやっぱり敵かと思えるようになっていると思う』って。岡田なりの引き算と逆算がちゃんとあるので、そこは本当に全幅の信頼を置いています」とにっこり。「撮影の合間に、そういう雑談トークは繰り広げていますよ(笑)」
ADVERTISEMENT2番目の軸である神崎は、自身の行動が引き起こしてしまった事態に、御上の言葉によって向き合えるようになった3年2組の生徒だ。冴島や、その娘である真山弓弦(堀田真由)が起こした事件に真剣に対峙し、物語を回していく難しい役回り。演じる奥平については「共演していて楽しい役者さんの一人」と語る。「ほかの生徒とは別軸を任されているというプレッシャーも大きかったと思いますが、それを表に見せないプロ魂がある。年齢相応の可愛らしい部分を持ちつつ、芝居に対してはわからないことをきちんと口に出して確認するまっすぐさが、ずっと一貫しています」と感心。「自分の意見をしっかり表明できるのは本当に素敵です。僕がその年代のころはできなかった。見習わなければと思っています」
「僕としては、『御上先生』というタイトルではありますが、実質的には御上と神崎、槙野の3人が主人公で、最終的に『本当の主役は生徒たちだ』ということになればいいなと思っています」
子どもに「考えて」という言葉を伝えたい
御上が涙した母親とのシーン - (C)TBS第9話ではもう1つ、御上の大きな変化が描かれた。自分を亡き兄の名前で呼ぶ母と、御上が向き合うシーンだ。「そこに御上は、生徒の富永蒼(蒔田彩珠)と次元賢太(窪塚愛流)を連れて行きます。母とのことを『見届けてくれないか』って。それは、富永の抱える家族の問題に御上が対等に向き合うための選択だと思いました。教師としての歩み寄りであり、自分を孝と認めてほしい子どもとしての母親との歩み寄りです。そこは、御上の人間味が溢れる、大きな波の1つだと捉えました」と御上の変化への感慨を語る。「僕の中ではすごく腑に落ちて、詩森(ろば)さんの脚本を改めてさすがだなと思いました」
松坂自身、この作品に触れたことで変化があったという。「自分の子どもが大きくなった時、『考えて』という言葉を伝えたいと思っています。子どもへの接し方も少しばかり変わりました。まだ言葉もわからない年齢ですが、『一緒に考えよう』と言い続けようと、心に決めました」と決意を表明する。「親の人生経験から答えを出すのはそれほど難しいことではないと思いますが、子どもと一緒に考えながら成長することの大事さを、作品から学ばせてもらいました」とし、「この作品で得たものは、自分の人生においてもしっかりと持ち続けなければいけないと思っています」(取材・文:早川あゆみ)
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2024年1月期に放送された、宮藤官九郎が脚本、阿部サダヲが主演を務めたTBS系金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」の続編が、スペシャルドラマとして来年の春に放送されることが決定した。
【写真】純子(河合優実)がキュートすぎた「ふてほど」フォトギャラリー
「不適切にもほどがある!」は、1986年から2024年にタイムスリップしてしまった昭和オヤジ・小川市郎(阿部)が、バス型のタイムマシンで過去と現在を行き来しながら、コンプライアンス無視の「不適切」発言で令和の空気をかき回すコメディー。阿部をはじめ、仲里依紗、磯村勇斗、河合優実、坂元愛登、三宅弘城、袴田吉彦、中島歩、山本耕史、古田新太、吉田羊ら豪華キャストの共演も話題を呼んだ。
ADVERTISEMENT昭和と令和、どちらが正しいかを断ずるのではなく、どんな時代でも変わらず「家族を大事に」「仕事を大事に」一生懸命に生きる人々が描かれた本作。最終回は、タイムマシンが使えなくなり、昭和に戻った市郎のもとに、タイムマシンの開発者・井上教授が未来から現れ「好きな時代に行きましょう!」とタイムトンネルに誘われる場面で幕を閉じた。
スペシャルドラマでは、好きな時代に行けることになった市郎のその後が描かれ、ドラマ放送時の出演者たちも揃って登場。放送日やストーリーの詳細、キャスト情報は今後発表される。主演・阿部サダヲ、脚本・宮藤官九郎、プロデューサー・磯山晶のコメントは以下の通り。(編集部・入倉功一)
主演・阿部サダヲ(小川市郎役)
小川市郎役 阿部サダヲです。「ふてほど」がスペシャルドラマに! また集まれるんですね! 嬉しい! どんな感じになるんだろう? まず連ドラの最終回を思い出して、SPの台本を読みました。・・・・・・いやぁ、やっぱり宮藤さん、流石です! 一回読んだだけではよくわかんない(笑)。面白い! どうやってやるんだろ? 楽しみです。走って、歌って、踊って、ノックして、いろんな小川市郎の顔をお見せできるように頑張ります! お楽しみに!
脚本・宮藤官九郎
宮藤です。内容も放送日も、なにも明かせないのにリリースが出るという、まるで大ヒットドラマみたいな扱いに少々戸惑っていますが、「スペシャルやるなら忘れないうちにやりたいです!」と僕が言ったからかもしれません。 そうそう懐かしい~、とすら感じない素早さで彼らが帰って来ます。 思ってても言いづらいことズバズバ言うし、チョメチョメしそうになるし、内容的にもスケールも、大して変わらないままお届けします。
まだ先なので、一旦忘れて、直前に思い出して下さい。
プロデューサー・磯山晶
プロデューサーの磯山です。 「不適切にもほどがある!」がスペシャルドラマになって帰ってきます! クランクアップからおよそ1年、久しぶりのような、そんなでもないような、なぜか少し気恥ずかしい気持ちでミュージカルシーンの歌録りが始まっています。 連続ドラマは、皆様にあたたかく支持していただき、とても幸せな制作体験を味わえました。 そして本当に沢山のドラマの賞をいただきました。誠にありがとうございました。 とにかく「面白い!」と励ましてくださり、「がんばれ!」と応援してくださった皆様への恩返しの気持ちを込めて、「不適切にもほどがある!」スペシャルを制作いたします。
今、言えることは、小川市郎さんがたくさん出てくるってことだけです。どうかお楽しみに!
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23日に放送される日曜劇場「御上先生」(TBS系・毎週日曜よる9時~)最終話のサブタイトル「Puppet's can't control you」が、SNS上で話題になっている。
【画像】卒業する3年2組を待ち受けるのは…「御上先生」最終話場面写真
このサブタイトルは、人気ロックバンド ONE OK ROCK が手がけた本作の主題歌「Puppets Can’t Control You」と同じ。最終話で主題歌タイトルを回収する粋な演出に、「天才」「鳥肌すごい」「激アツ」といった声があがっている。
ADVERTISEMENTタイトルの「Puppets」は人形のこと。ボーカルのTakaは、「ここでは大統領や社長など、何か問題が起きたときに表に出て責任を取る存在を指しています。でも、その背後にはもっと大きな力がある。『Puppets』が交代することで一時的に人々の気持ちは落ち着くけれど、もうそんな仕組みには騙されない。あなたたちの用意したお人形さんの言うことは聞かないんだよ、という思いを込めています」と飯田和孝プロデューサーとのオフィシャルインタビューで、タイトルに込めた意味を明かしている。
高校教師となった文科省のエリート官僚・御上孝(松坂桃李)が、隣徳学院3年2組の高校生たちを導きながら、汚い大人たちの権力によって子供たちが犠牲になっている現実に立ち向かうさまを描いてきた本作。16日放送の第9話では、御上と同期の官僚・槙野恭介(岡田将生)が、隣徳学院に怪文書を送信していたヤマトタケル(倭建命)だったことが判明した。
隣徳学院、霞が関、永田町をつなぐ不正の証拠を揃えた御上たち。しかし、その不正には、3年2組の生徒・千木良遥(高石あかり※高ははしごだかが正式表記)が巻き込まれていた。最終話では、卒業の日を迎えた3年2組の生徒へ、御上が最後の授業を行う。(編集部・倉本拓弥)
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映画『白雪姫』(3月20日全国公開)で、レイチェル・ゼグラー演じる白雪姫のプレミアム吹替版声優を務める俳優・吉柳咲良(きりゅうさくら)。ミュージカルで鍛え上げられた圧倒的な歌声を披露し、白雪姫の軽やかさと力強さを表現。これまでもミュージカル「ピーター・パン」「ロミオ&ジュリエット」をはじめ、連続テレビ小説「ブギウギ」でも新進気鋭の歌姫を演じるなど、吉柳と歌は切っても切り離せない印象を受ける。そんな彼女が「歌は命同然」と熱い思いに至った過程には、あるミュージカル女優の存在があったというーー。吉柳が歌への思いや、ディズニープリンセスを表現した先に見る大きな夢などを語った。
【画像】日米白雪姫、美の共演!吉柳咲良&レイチェル・ゼグラー
沙也加さんがいてくれたから、ミュージカルを続けてこられた
画像は『白雪姫』より - (C) 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.小学校6年生のとき、第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン PURE GIRL 2016 で当時歴代最年少グランプリを受賞した吉柳。当時から歌うことは「大好き」で、家族でカラオケに行って歌ったり、車の中でずっと音楽を聴いて口ずさんだりしていたというが、そのときはミュージカルというジャンルが存在することも知らず、オーディション応募の特技欄には「ダンス」と書いていたという。
ADVERTISEMENTまだ「歌が大好き」という思いだけだった少女が、グランプリ受賞後、帝国劇場で開催された「ミス・サイゴン」を観劇し、ミュージカルというものがこの世に存在することを知った。あまりの壮大な世界観に「震えた」と衝撃を受けた。
そして臨んだ初ミュージカル「ピーター・パン」。吉柳は13歳で初舞台を踏んだ。初演では「本当に言われたことをやるだけ」でカンパニーについていくことで精一杯だったという。そのなかで出会ったのが、ウェンディ役の神田沙也加さんだった。
吉柳は「沙也加さんは、当時『アナと雪の女王』のアナも演じられていましたが、歌声に感銘を受けました。ミュージカル1年目で、めげずに続けられたのは、沙也加さんがいてくれたおかげなんです。何にも代えられない沙也加さんの歌声が大好きで、沙也加さんみたいになりたいと思っていました。次に会ったとき『成長したね』と言ってもらいたい思いがあったから、頑張れたんです」と溢れる胸の内を明かす。
「ピーター・パン」の公演が終わったあとも、神田さんは数々のミュージカルで輝きを見せていた。吉柳も「沙也加さんの『キューティ・ブロンド』なども大好きで、自分自身もどんどんミュージカルの魅力にはまっていったんです」と大きなきっかけになったことを明かすと、「いま歌はわたしの命同然。歌えなくなることが何よりもストレスに感じます。歌がないと生きていけない。わたし自身も自分の声帯が武器だと思うし、何より歌っている時が一番幸せを感じるんです」と強い視線で語る。
ADVERTISEMENT白雪姫役で背負った責任
憧れだったディズニープリンセスの声優に - (C) 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.ミュージカルに魅了され、歌に心を奪われた吉柳。当然のことながらディズニープリンセスが主人公の作品にも熱い思いを持っていた。「ちょっと喉の調子が悪いなとか、声が出しにくいなというときは、ディズニー作品の曲を歌うんです。夢が詰まっているので前向きになれるし、歌うだけでそのメッセージ性で背中を押してもらえる。本当に大好きです」
イベントなどでは「プリンセスとは遠いところにいると思っていた」と話していた吉柳だが、本作でディズニープリンセスの元祖といえる「白雪姫」を表現した。
「作品に触れて、参加して、改めて『白雪姫』が長年愛され続けている理由がわかりました。実写版になっても、伝えたいメッセージはまったく変わっていません。白雪姫の優しさ、思慮深さ、人を思いやる気持ちは、現代に通じるものばかり。さらに実写になったことで、より人間味のある白雪姫が見られると思います。夢を見るところから、どう成長していくか……という過程がすごく楽しめるんです」
ADVERTISEMENTそんな大きな存在の当事者になったからこそ、強い責任も感じた。吉柳は「これまでたくさん夢を見させていただいたからこそ、しっかりその夢を届けなければいけないという思いはあります。携わらせていただいたからには、そこまでがセットだと思うんです」と語り、「それがどんどんとまたほかの人に繋がって幸せの連鎖が続けば、こんな素敵なことはないですね」と笑顔を見せる。
どんな価値観でも受け入れられる、器や余裕を持てる人間になりたい
『白雪姫』メインビジュアル - (C) 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.大きな目標であったディズニー作品への参加。主演のレイチェルとは、先日行われた来日イベントで魅力的なコラボレーションを見せた。吉柳は「本当に気さくで優しい方でした」と人柄にも魅了されたといい、「第一声を聴いただけで鳥肌が止まらなかったんです。音域も広いし、とても繊細。そして表現力にも長けている。わたしはとにかくレイチェルさんの歌声を聞き込んで、心情の変化をどのように音で表現しているのか、研究しました」としっかりと準備をして収録に臨んだ。
本作を経て、歌への思いはもちろん、さまざまなことへのモチベーションが上がったという吉柳。「レイチェルさんとは『白雪姫』でご一緒し、作品は違いますが、『ロミオ&ジュリエット』でもお互いジュリエットをやっているんです」と明かし、「いつかレイチェルさんが演じた『ウエストサイド・ストーリー』のマリア役もやってみたい。わたしはやっぱりミュージカルが好きなので、もっとたくさんのミュージカル作品に参加したいです」と目を輝かせる。
ADVERTISEMENTさらに吉柳は、人間としての目標について「漠然とした表現ですが、優しい人間になりたい」と微笑む。「白雪姫のように誰にも見返りを求めることなく、愛を与えられる存在でありたいし、誰かの支えになれる存在でありたいというのが、わたしのなかの大きなテーマなんです。そうなるために、どんな価値観でも受け入れられる器や余裕を持てる人間になりたいです」と理想の人物像に思いを馳せていた。(取材・文・撮影:磯部正和)
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竹野内豊主演で、駆逐艦「雪風」の物語を描く映画『雪風 YUKIKAZE』(8月15日公開)の共演陣が発表され、玉木宏、奥平大兼、當真あみ、田中麗奈、中井貴一らが出演することが明らかになった。
アメリカを始めとする戦勝国からも讃えられた、伝説の“不沈艦”「雪風」を、史実に基づいたフィクションとして甦らせる本作。様々な資料を基に生み出されたオリジナルキャラクターとなる、雪風の艦長・寺澤一利(竹野内)を主人公に、太平洋戦争の渦中から戦後、さらに現代へと繋がる激動の時代を懸命に生き抜いた人々の姿とその運命を描く。
ADVERTISEMENT玉木が演じるのは、「雪風」の先任伍長・早瀬幸平。これまで『真夏のオリオン』(2009)や『沈黙の艦隊』(2023)で艦長を演じてきた玉木が本作で担うのは、下士官・兵を束ねる先任伍長役。荒っぽい駆逐艦乗りたちの兄貴分として、熱くなると艦長にさえ物申すことも。初共演となる竹野内と玉木が、時にぶつかり合いながらも、階級の差を超えて信頼し合う二人の男たちを演じる。
また、「雪風」の若き水雷員・井上壮太を演じるのは、TBS系日曜劇場「御上先生」の生徒役でも注目を浴びる奥平。井上はミッドウェイ海戦において、沈没した巡洋艦から海に投げ出され、「雪風」に命を救われた乗員の一人。運命のいたずらか、その後「雪風」乗組員となり、早瀬の部下になる。
さらに、當真が早瀬幸平の妹・早瀬サチ役、田中が寺澤一利の妻・寺澤志津役、中井が大日本帝国海軍・第二艦隊司令長官・伊藤整一役で出演。映画『連合艦隊』(1981)において、死地に赴く戦艦「大和」を見送るパイロット役で俳優デビューを果たした中井が、本作ではその天一号作戦(沖縄水上特攻)で「大和」と運命を共にした実在の司令長官を演じる。
その他にも、軍令部作戦課長・古庄俊之を演じる石丸幹二をはじめ、寺澤志津の父・葛原芳雄に益岡徹、「雪風」砲術長・有馬岩男に藤本隆宏、航海長・中川義人に三浦誠己、水雷長・佐々木伊織に山内圭哉、機関長・藤井道郎に川口貴弘、主計長・佐藤捨造に中林大樹、さらに「大和」艦長・有賀幸作に田中美央など、実力派俳優たちが共演を果たす。
ADVERTISEMENT脚本は『真夏のオリオン』(2009)、『空母いぶき』(2019)などの長谷川康夫、監督は山田敏久が担当する。共演陣のコメントは以下の通り。(編集部・入倉功一)
玉木宏(早瀬幸平 役)
映画「雪風」の脚本を読んだ際、「生きる」、「後世へ繋ぐ」という強いメッセージが込められていると感じました。 私が演じた早瀬、そして、戦時下の日本を懸命に生きた人たちを通して、この映画に込められたメッセージを届けられるよう撮影に臨みました。 日本は今年で終戦から80年という年月が経ちますが、世界のさまざまな国や地域では、いまなお紛争が起きており、決して遠い昔の話でも、他人事でも無いと思っています。
如何なる時も人を思い遣り、世界が、日本が、優しい気持ちで包まれ、平和な未来が創られますように。
奥平大兼(井上壮太 役)
今回初めて戦争のことを描いた映画に参加させていただき、多くの学びがありました。 「雪風」のことはもちろん、当時に何が起きていたのかなど、知らなかった事を知るきっかけになりました。 そして僕が学んだ出来事を役を通して、この映画を見てくださる方々に伝えたい思いも強くあります。 僕が演じた井上は、この映画をぜひ見ていただきたい若い方々と目線が近いと思っています。
より多くの人たちに、この作品が届く事を願います。
當真あみ(早瀬サチ 役)
この作品に参加させていただけたことで、「雪風」という駆逐艦について知る機会が出来ました。 駆逐艦の使命を全うしながらも一生懸命に生き抜こうとする力強い姿に心打たれました。 私が演じさせてもらったサチは、そんな駆逐艦に兄が乗船しており、そんな兄を思いながらも、自身も国の為にと働きます。 この作品を見ていただく方に、改めて戦争とは何だったのかを知ってもらえる作品だと思います。 特に、私と同じ世代の方は、戦争についてあまり知らないという人もいると思います。
この作品をきっかけに知っていただけるといいなと思います。
田中麗奈(寺澤志津 役)
まずはこの映画に参加させて頂き、命の重さ、大切さを改めて感じることができましたことに感謝です。 望む望まざるに関わらず時代に翻弄されながらも前を向き、必死に生き抜いてきた人々への尊敬の念を抱かずにはいられません。 かつてこの国に戦争があったこと、そして今も世界のどこかで尚も起こっているできごとから目を背けず、それを知ることの意義はとても大切だと感じています。
たくさんの方々に映画を観て頂きながら改めて平和への想いを感じてくださる時間を過ごして頂ければ幸いです。
中井貴一(伊藤整一 役)
「雪風」が持っていた幸運は、艦長や乗員たちと共に「雪風」自身が呼び寄せたものではないでしょうか。 「戦いに行く」ということより、「人を救う」ことを考える艦は、やはり生き残るのです。 人間もまた同じ。 未だに、戦火が止むことのない時代。
「雪風」は、我々に色々なことを教えてくれているような気がします。
映画『雪風 YUKIKAZE』主演:竹野内豊で製作決定! 2025年8月全国公開!!<超特報> » 動画の詳細※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。
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累計発行部数336万部を突破する、はつはるの漫画を福本莉子とジェシー(SixTONES)のダブル主演で実写映画化する『お嬢と番犬くん』(公開中)。本作のメガホンをとったのが、『殺さない彼と死なない彼女』(2019)、『恋は光』(2022)などのラブストーリーを手掛けた小林啓一監督。極道の孫である女子高校生と、彼女のボディガードを務める若頭の恋を描く本作では、「ときめき」をキーワードに撮影を進めたというが、小林監督がその裏側を語った(※一部ネタバレあり)。
こんな部屋に住みたい!『お嬢と番犬くん』一咲の和室インテリア【画像】
2023年にアニメ化もされた人気ラブコメ漫画を原作とする本作は、幼いころに両親を亡くし、瀬名垣組組長の祖父(杉本哲太)に引き取られて育った瀬名垣一咲(福本)が高校生活をスタートさせるところから始まる。これまで周囲に避けられてきた過去を持つ一咲は、何としてでも極道の孫であることを隠し通し、“普通”の青春を謳歌しようと決意する。しかし、瀬名垣組の若頭で一咲の世話役も務める宇藤啓弥(ジェシー)が一咲を守りたいあまり、年齢を詐称して同じ学校に裏口入学。かくして、一咲の波乱含みの新生活が幕を開ける……。
ADVERTISEMENT映画版は原作の世界観、ストーリーに忠実に進み、一咲と啓弥の至近距離での胸キュンのシチュエーションも盛りだくさん。冒頭は、一咲が祖父に志望高校に合格したことを報告するめでたい場面から始まり、オープニングタイトルが登場するまでのわずか約4分ほどで一咲のキャラクター設定や啓弥との関係がわかるようなテンポの良さ。ストーリー自体はスピーディーに運ぶのに対して、間を持たせているのが一咲と啓弥のやりとりだ。
「歌舞伎の掛け声に“たっぷり”というのがありますが、福本さんとジェシーさんには“たっぷりやってほしい”と伝えました。それはシーンを長く引き伸ばすとかいうことじゃなくて、間を持たせたりじっくりやってほしいという意図です。俳優にとっては至近距離で目を合わせたりするのって結構恥ずかしいんじゃないかと思うのですが、福本さんもジェシーさんも間が持たなくなるぐらい見つめたりというのを、意識してくださっていたと思います。特に、一咲は啓弥のことが好きなので簡単に目をそらしたくないんですよね。だけどあまり見てしまうと啓弥に好きな気持ちがバレてしまう。福本さんが、ぽーっとなりながらも理性が働くという、微妙な塩梅で表現してくれていたなあと思います」
ADVERTISEMENT一咲の鼓動が聞こえてきそうな至近距離のシーン。実際、福本、ジェシーは照れることはなかったのか?
「照れていたと思いますよ(笑)。特にジェシーくんは“緊張しますよ~”と、ずっとおっしゃっていたので。福本さんも同様でしたが、撮影ではお二人ともそんな気配はまったく感じさせることなく演じてくださいました」
極道との恋など身の破滅とわかりつつも啓弥への恋心を募らせていく一咲と、まるで「一咲がこの世の全て」と言わんばかりに、一分一秒を全力でボディガードする啓弥。真面目な顔をしてドキリとさせるような甘い言葉を連発する啓弥だが、一咲は彼にとって自身は保護対象でしかないのではないかと思い悩み、彼の言葉に一喜一憂する。そんなもどかしい関係を繰り広げる二人のキャラクターを描くにあたって、小林監督はこれまで以上に男女、双方の目線で「キュン」とくるのかを意識したという。
「特に一咲に関しては、もちろん福本さんが演じられるので安心はしていましたが、漫画だったら緩和される部分が生身の人間になるとあざとく感じられてしまうかもしれないという危惧がありましたし、啓弥も男から見てもかっこいい野性味あふれる男でなければと。なので初めは(企画・プロデュースの)小池祐里佳さんに観ていただき“今の一咲、かわいいですか?”とか逐次確認していました。二人のシーンに関してもメイクさんや記録係の女性スタッフにキュンとくるかこないかと確認していましたが、そうするうちに僕もあまり迷わなくなって、福本さん、ジェシーさんも堂々と演じられるようになっていたと思います」
ADVERTISEMENT 保健室の一咲と啓弥ちなみに、女性スタッフの間で特に反応が良かったシーンを問うと「3か所ぐらいに分かれるんですよね。保健室、放課後の教室、あとはラストシーン。一咲と啓弥の関係が接近しそうな気配になるシーンが好評でした」と小林監督は振り返る。
そして、小林監督作品といえばロケーション。『逆光の頃』(2017)では京都、『恋は光』では岡山など、旅行に行きたくなるような魅力的な画が詰め込まれていたが、小林監督のテーマの一つが「和室を魅力的に撮ること」。本作では、大正時代に建築された和風邸宅撮影スタジオで瀬名垣家を撮影。縁側を生かした一咲と啓弥のやりとりも印象的だが、一咲の「普通の女の子」へのあこがれが反映された自室は隅々まで見返したくなるようなインテリアになっている。
「洋風の家がどんどん増えていることもあって、和室はこれからもまだまだ撮っていきたいですね。今回に関しては、一咲が極道の家で育っていることへの葛藤がある女の子なので自分の環境に対するささやかな抵抗という意味で、自室をかわいらしくアレンジしています。あと、お風呂は別の場所で撮りました。瀬名垣家は啓弥をはじめ若衆など何人か住んでいて、寮のような状態になっているのできっとお風呂も大きいだろうなと。なのでヒノキの大きいお風呂で撮影を行いました」
ADVERTISEMENT映画の大きな見せ場の一つは文化祭のシーン。一咲の通う高校の撮影は、湘南に実在する学校で行われた。手作り感あふれる出店が所狭しと並び、まるでどこかの高校の文化祭に潜入したかのようなリアリティーだ。
「“学生が作れる”というコンセプトだったので、段ボール素材を多く用いています。貝のような飾り物があるんですけど、厚紙を使って折り紙のようにしてライトを仕込めるようにしたり。美術部のこだわりが詰まったシーンです。また、別のとあるシーンでキャンプファイヤーも見えますが、残念ながら僕は経験がなくて、ザ・青春な一コマとしてぜひやりたかったんです。これが実現できる高校はなかなかないので協力してくださり感謝しかありません。屋上のシーンを含め、天候にも恵まれていろいろなラッキーが重なりました」
そうしたスタッフの熱意が結実し、一咲と啓弥の胸キュンのシーンをはじめ至福の青春を体感できること必至だ。(取材・文:編集部 石井百合子)
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