ドル/円は不安定な動き、日米中銀会合やトランプ氏発言にらみ=来週の外為市場

 11月29日、来週の外為市場でドル/円は、不安定な値動きが続きそうだ。写真は各国紙幣。2016年1月撮影(2024年 ロイター/Jason Lee)

[東京 29日 ロイター] - 来週の外為市場でドル/円は、不安定な値動きが続きそうだ。12月の日米中銀会合に対する見方は依然定まらず、年明けに就任するトランプ次期大統領の政策運営も不透明な部分が多い。様々な手掛かりに右往左往する形で、値が大きく振れる可能性もある。

予想レンジはドルが148━154円、ユーロが1.03―1.07ドル。

ドル/円は値動きの荒い展開が続いている。日本は利上げ、米国は利下げと方向感が真逆の金融政策運営、予想が難しい米トランプ次期政権の出方、ウクライナ情勢を含む地政学リスクと市場参加者のリスク選好姿勢の急速な変化、年末年始の持ち高調整や投資戦略再考など、多くの要因が重なりあい、不透明感が増している。

週間の変動幅も11月は平均3.7円と、10月の2.4円を大きく上回った。通貨オプション市場の予想変動率(インプライド・ボラティリティー)は、1カ月物が11%台で高止まりしている。「材料が多く値動きが良いので、海外ヘッジファンドが短期売買を繰り返している」(外銀関係者)ことも、値幅が広がる要因となっている。

注目点は米雇用統計をはじめとする国内外の経済指標や、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長ら日米中銀関係者の発言。シティグループ証券チーフFXストラテジストの高島修氏は「12月は米国の経済指標が予想から下振れることが多く、バリュエーション的にもドル/円は割高感がある。145円前後まで調整があっても、あまり違和感はない」と話している。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

関連記事: