【毎日書評】科学的根拠に裏打ちされた「タイパのいい勉強法」5つの原則
『科学的根拠×タイムパフォーマンスを追求してわかった! 勉強法BEST100』(医師 めろん 著、SBクリエイティブ)の著者は、塾に通わず独学で医学部受験を突破し、医師国家試験や英検1級などの難関試験に合格したという実績の持ち主。
最低限の勉強時間で結果を出すことができたのは、ムダな勉強を一切しなかったからなのだとか。効率のよい勉強法を知れば、無駄を省くことができ、勉強時間が限られていても目標を達成できるというのです。
なお、「もっとも効率のよい勉強法」には、「科学的根拠に基づいて導き出された勉強法」であるという共通点があるのだそうです。そうした考え方に基づいてX(旧Twitter)に投稿し、反響を呼んだという勉強法は以下のとおり。
「勉強法で大事なのは
・優先順位は過去問→問題集→教科書(参考書)
・まとめノートは絶対作らない
・復習の回数がすべて
・講義、予備校は必要ない
・1冊の本を完璧にする」
(「はじめに」より)
こうした独自のノウハウを詰め込んだ本書は、勉強したいけれど思うように時間がとれない人のために書かれたもの。「科学的根拠に裏打ちされた、短い時間でパフォーマンスを最大化する」勉強法を、100項目にまとめているのです。
しかも普遍的で、誰にでも使える再現性の高い方法論だけを厳選しているそう。きょうは序章「勉強法『5つの原則』」に注目し、基本的な考え方を確認してみましょう。
× とりあえず勉強する
〇 勉強の定義をはっきりさせる
(16ページより)
勉強の定義が曖昧なままでは、努力が目的に結びついているのかわからないため、途中で挫折してしまう可能性も。そのため、勉強の定義を示すことが重要だそう。
勉強とは「試験に出そうな、わからない問題を解けるようにすること」であり、それ以外はすべて「作業」。そして最重要ポイントは、「試験に出そうな」という部分。要するに、試験を受けたときに出題された問題が解けて合格点を取れれば、その試験には合格するのです。
したがって参考書をすべて暗記する必要も、問題集に載っているすべての問題が解けるような学力をつける必要もなし。試験に出題される問題で「合格点」をとればいいわけで、それこそが勉強の定義であるということです。(16ページより)
参考書よりも大切なもの
× 参考書で勉強する
〇 過去問を徹底攻略する
(20ページより)
孫子の兵法に、「彼(敵)を知り己を知れば百戦殆うからず」ということばがあります。「敵と自分を理解していれば、どんな戦いでも危険な状況に陥ることはない」という意味。
勉強における「敵」は過去問であり、「己」は模試の結果。どんな試験であっても、もっとも重要な教材は過去問だということです。しかも過去問は勉強の仕上げのためのものではなく、勉強の指針として最初に使うものなのです。(20ページより)
書くことよりも読むこと
× 書いて勉強する
〇 読んで勉強する
(24ページより)
「書いて覚える」を勉強の中心にしてしまうと、どれだけ時間があっても足りません。著者によれば、書く勉強は、黙読や音読の3倍以上の時間がかかるのだそうです。そこで、書く作業は一部を除いて模試だけにとどめ、普段の勉強は読むことを中心にするべきだといいます。
大切なのは、試験に必要な項目を覚えることで、そのためには読むことを中心にしたほうが効率的だというのです。覚える際には黙読や音読に加え、「思い出す」ことを利用して記憶するのも有効であるようです。(24ページより)
中心は主体的な勉強
× 講義を受ける
〇 主体的な勉強を中心にする
(26ページより)
講義は、講師の話を聞きながら黒板の内容を確認し、それをノートに書き写すという「見る・聞く・書く」3つの行為を要求されます。きわめて非効率的であり、復習も困難。
本当に重要なのは、「自分で主体的に教材(過去問 or 問題集)を何度も読んだり、思い出したり、解いたりしてそれを覚える」こと。単純ではあるものの、これがもっとも効率のいい勉強法だそうです。(26ページより)
大切なのは「体験記」?
× 情報を調べずただ単に勉強する
〇 合格体験記を事前に書く
(31ページより)
目標を達成するためには、「目標を具体化し、期限を決め、紙に書き出す」ことが必要。そこで著者は、勉強の初期に合格体験記を書いてしまうことを勧めています。
そうすることによって、「本番で何点取ればいいのか」「合格に至るまでになんの教材をこなすべきか」「どんなペースで進めるか」「どれくらいの学力をつけるか」などを客観的に把握できるようになるというのです。(31ページより)
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Source: SBクリエイティブ