金相場上昇、ムーディーズの米格下げで安全資産の需要高まる
Yihui Xie
- ムーディーズ、米格付けを最上位「Aaa」から「Aa1」に下げ
- 金相場は一時1.3%高、先週は週間ベースで半年ぶりの大幅安
金相場はアジア時間19日午前の取引で上昇。米経済見通しと財政赤字を巡る懸念が高まる中、安全資産への需要が拡大した。先週は週間ベースで半年ぶりの大幅安となっていた。
金相場は一時1.3%上昇し、1オンス=3245ドル前後となった。米格付け会社ムーディーズ・レーティングスが16日、米国の信用格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に引き下げたことが手がかり。
ムーディーズは発表文で、「米国が持つ経済・財政の著しい強さは認識しているが、これらの強みだけで財政指標の悪化をもはや完全に埋め合わせることはできない」と指摘した。
関連記事:米格付け、最上位からムーディーズが引き下げ-「安全資産」に逆風
オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)のバス・メノン投資戦略担当マネジング・ディレクター(シンガポール在勤)は金相場について、「好悪材料が入り交じっているため、短期的に不安定な動きが見込まれる」と指摘。ただ、長期的には、トランプ政権の政策とドル建て資産からの分散化の動きが「構造的な追い風となり、今後数年間に新たな高値を更新する可能性がある」との見方を示した。
金相場はシンガポール時間午前8時46分(日本時間同9時46分)時点で、1.3%高の3245.67ドル。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%下落。銀とパラジウム、プラチナも軒並み高い。
原題:Gold Gets Bounce From Moody’s US Downgrade After Big Weekly Drop(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE