米景気後退の確率は45%、早期利下げない公算大ー資産家コーエン氏

Katherine Burton

  • まだリセッションには入っていないが、成長の著しい減速が見られる
  • 「関税によるインフレ懸念」ですぐには利下げに踏み切らないと予想

資産家のスティーブ・コーエン氏は14日、米国がリセッション(景気後退)に陥る確率は現時点で約45%だとの見方を明らかにした。

  ヘッジファンド運用会社ポイント72アセット・マネジメントの創業者であるコーエン氏(68)はニューヨークで開催されたソーン投資会議で、「まだリセッションには入っていないが、成長の著しい減速が見られる」と発言。米連邦準備制度は「関税によるインフレ懸念」から、すぐに利下げに踏み切ることはないとの認識を示した。

  また、来年の米経済成長率は1.5%か、それを下回る水準に鈍化すると予想し、「悪くないが、驚くほどの数字ではない」と語った。

  米株式相場の4月の乱高下については、反転ペースの速さという点で異例だったと指摘。次に発表される一連の米経済指標に注目していると述べ、「市場がどのように反応するかを見たい。それが、現在の相場水準が適正かどうかを判断する大きな手がかりになる」と説明した。

  さらに、米株式相場が下落したとしても下落率は10%か15%にとどまるだろうと述べたほか、当面は一定のレンジ内で推移する可能性にも言及した。

  コーエン氏は「相場は毎年上昇する必要はない。横ばいになることもあり得るし、それはごく当たり前のことだ」と話している。

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  金融市場の激しい変動の中、ポイント72は4月にプラス2.3%のリターンを記録したとブルームバーグは伝えていた。年初来の運用成績はプラス3%に達している。

原題:Steve Cohen Says Probability of US Recession Now Stands at 45%(抜粋)

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