ルーマニア大統領選、憲法裁が無効判断 ロシア寄り候補が首位

A view of the sign of the Romanian Constitutional Court, after the annulment of the presidential election result, in Bucharest, Romania, December 6, 2024. Inquam Photos/George Calin via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. ROMANIA OUT. NO COMMERCIAL OR EDITORIAL SALES IN ROMANIA

[ブカレスト 6日 ロイター] - ルーマニアの憲法裁判所は6日、11月に実施された大統領選の第1回投票の結果を無効とする判断を下した。同投票を巡ってはロシアによる介入疑惑が出ていた。8日に予定されている決選投票を含め、選挙の全プロセスがやり直しとなる。

現職のヨハニス大統領の任期は今月21日に終了する。憲法裁の判断を受けルーマニアが制度的混乱に陥り、街頭で抗議デモが発生する可能性があると懸念も出ている。

11月24日に実施された第1回投票では、北大西洋条約機構(NATO)懐疑派の極右カリン・ジョルジェスク氏が首位になったが、数カ月前までほとんど無名だった同氏の躍進ぶりに、ロシアによる選挙介入やソーシャルメディアによる操作を疑う声が出ていた。 もっと見る
ただ、憲法裁は今月2日、第1回投票の結果は有効と判断。8日にジョルジェスク氏と、第1回で2位だった野党の中道右派「ルーマニア救国同盟」のラスコニ党首の間で決選投票が行われる予定だった。 もっと見る

憲法裁は今回の判断の理由として「選挙過程の公正性と合法性を確保する」ためだったと説明。詳細は後日公表するとしている。

ラスコニ氏は「憲法裁の判断は民主主義の本質である投票を踏みにじるもの」と非難。一方、第1回投票で3位だった中道左派のチョラク首相は、憲法裁の判断を「唯一の正しい解決策」とし、支持を示した。

ルーマニア国立バベシュ・ボヨイ大学のセルジウ・ミシコイウ教授(政治学)は「裁判所はジョルジェスク氏の再出馬を認めない可能性が極めて高い」と指摘。「極右候補のうち誰が選挙戦に残るか次第だが、その人物を中心に人々が結集する可能性がある」とし、人々が過激化し、街頭で抗議デモが発生する恐れがあると述べた。

ロシアはルーマニアの選挙への介入を否定している。

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