夏の肥料は与えすぎに注意!「薄め、控えめ」が基本(みんなの趣味の園芸)
植物を元気に育てるために欠かせない肥料。夏も元気に生育している植物には必要ですが、真夏の肥料は、施し方を間違えると逆効果になることも。『趣味の園芸』2026年8月号では、園芸研究家の落合英司さんに、肥料の上手な使い方や、活力剤・バイオスティミュラント資材との使い分けを教えていただきました。誌面より、夏の肥料の基本的な考え方を紹介します。
植物は光合成をして栄養素(糖類)をつくっていますが、それだけでは育ちません。 植物の成長には、チッ素(N)、リン酸(P)、カリ(K)といった三要素や、マグネシウム、カルシウムなどの中量要素、鉄やマンガンなどの微量要素も必要です。 自然界とは土壌環境が違う鉢植えや花壇では、それらが不足するので、必要な栄養素を肥料で補います。
「肥料焼け」とは、土壌中の肥料成分の濃度が上がりすぎて、根が水分や養分を吸収できなくなり、葉が茶色く変色したり、枯れたりする現象です。 夏は、高温や強い日ざしによって土が乾きやすく、植物も盛んに水分を吸い上げます。こうして土壌水分が失われていくと肥料成分の濃度は上がり、肥料焼けのリスクが高まります。 夏は暑さで根の「吸う力」も低下しています。肥料は「薄め、控えめ」に施して根の健康を守りましょう。
次のようなタイミングには肥料を施しません。弱った植物には、活力剤やバイオスティミュラント資材を与えると、回復をサポートできます。 ●植物が弱っているとき ●休眠中など生育が止まっているとき ●植えつけ、植え替え直後 ●病害虫の発生中(植物が弱っている。肥料によって害虫や病気が広がりやすくなることもある) ●土が乾ききっているとき ●35℃以上の猛暑が3〜5日続き、夜も25℃以上の熱帯夜のとき ただし、夏によく成長する植物や、元気に開花を続けている植物は、特に肥料不足になる可能性が。薄め、控えめの基本は押さえ、忘れずに施しましょう。 教えてくれた人/落合英司(おちあい・えいじ) 園芸研究家 鳥取大学大学院農学研究科修了。農業資材などの製造・販売を行う会社に勤務。植物の品種、資材など園芸一般に詳しい。 NHKテキスト『趣味の園芸』2026年8月号 連載「知れば楽しい園芸アイテム」第5回より