「京急品川開発プロジェクト」本格始動

京浜急行電鉄株式会社(本社:横浜市西区、取締役社長:川俣 幸宏、以下 京急電鉄)は、品川駅周辺を開発する「京急品川開発プロジェクト」を本格始動し、2025年5月31日(土)に 「(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画(以下 本計画)」を着工します。

かつては江戸への玄関口として人々を迎え入れ、現代においては羽田空港に至近で、将来的にはリニア中央新幹線の起点となるなど、日本を代表する玄関口としての役割を担う品川。京急電鉄は本プロジェクトの始動にあたり、この日本屈指の交通結節点である品川駅周辺エリア(以下 品川)の将来像を「こころと世界を動かすつながりの湊」と定めました。この将来像の実現に向けて、品川開発コンセプトには「WEL - COME&GO!」を掲げ、品川を明日への玄関口として育てていきます。今後、京急電鉄は周辺で行われる開発事業や基盤整備事業と連携し、特に品川駅からの立地に優れる(仮称)品川駅西口地区A地区・品川駅街区地区を中心に、新しいまちづくりを推進していきます。

その第一弾である本計画建物は、2029年度の開業を予定しており、共同事業者であるトヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:佐藤 恒治、以下 トヨタ)が「新東京本社」を開業します。今後もトヨタとは連携を深め、品川駅西口地区まちづくりに加え、沿線の活性化や相互の発展に資する取り組みを検討していきます。さらに、国内最大級のフロア面積を持つオフィスや、都心最大規模のコンファレンスホール、人・モノ・技術が交わる新たな交流拠点となる商業施設など「感性を刺激する場と機会の提供」をテーマに魅力あるまちづくりを推進していきます。

本計画外観イメージ(北西から)

着工に先立ち、2025年5月23日(金)に起工式を執り行いました。

京急電鉄取締役社長の川俣幸宏は、「当社の鉄道がこの地(高輪)に乗り入れてから本年で100年を迎えます。次の100年に向けた第一歩として、世界を代表するモビリティカンパニーのトヨタと連携し、これからの日本を牽引する国際交流拠点・品川の発展に尽力していく所存です。本計画を皮切りに、まちづくりを段階的に進め,『こころと世界を動かすつながりの湊』として品川駅周辺エリアを発展させていきたいと考えております。」と述べました。

トヨタ取締役社長の佐藤恒治は、「新東京本社は、トヨタが目指す『モビリティカンパニーへの変革』に向けた重要な拠点になります。多様な人材が集まって創造性を発揮できる環境をつくり、モビリティで暮らしをもっと豊かにできるよう、挑戦を加速してまいります。そして、『町いちばんの会社』を目指して、品川駅周辺エリアのさらなる発展のお役に立てるよう、地域社会にしっかり根差して取り組んでまいります」と述べました。

5月23日に実施した起工式では、京急電鉄川俣幸宏社長(左)とトヨタ佐藤恒治社長(右)が鍬入れを行いました

京急電鉄は品川の将来像を,「こころと世界を動かすつながりの湊」と定めました。さらにその将来像を実現するための3つの方針として以下を掲げています。

  • 「五感に魅せる体験」からしあわせを生むまち
  • 新しい発想や遊び心につながる「思いがけない出会い」があるまち
  • 小さな想いを集め「社会を良くする仕組みづくり」を導くまち

今後は、将来像にご共感いただいた協力者(パートナー)とともに、これらの将来像や3つの方針の具現化を通じて、品川の確固たる地位と特色を築いていきます。

京急電鉄は、「こころと世界を動かすつながりの湊」の実現に向けて、開発コンセプトとして「WEL - COME&GO!」を掲げました。

「WEL - COME」には、まちを訪れるすべての人々をあたたかく出迎える「誰でもいらっしゃい」という想いを、「WEL-GO」には、まちを訪れたすべての人々が笑顔で次の一歩を踏み出せるよう「いってらっしゃい」という前向きなエールの気持ちを込めました。また、「人と人」「人と文化」「人と場所」を結びつけたいという想いから、「&」の文字には縁起の良い「八の字結び」をモチーフとしたアクセントを取り入れ、「無限のご縁」や「末広がりの未来」といった願いを込めています。

この地は、かつて東海道の宿場町として栄え、現代では国際会議等が行われる迎賓の地であり、羽田空港へとつながる拠点駅として、多くの人々を迎えている玄関口です。京急電鉄は今後の開発を通じて、品川を新たな発見や出会いに満ちた"おもてなし"の場所、「明日への玄関口」として発展させていきます。

ランドスケープデザインは、プレイスメディア(本社:東京都小平市、代表取締役:吉澤眞太郎)が担当しています。本計画では、豊かな緑量を確保し、自然とにぎわいが共存する地域に開かれた屋外空間を整備します。豊かな緑に囲まれたベンチの設置などにより来訪者に憩いの場を提供する一方で、大規模なイベントを開催できる広場も整備し、駅前のにぎわいを敷地内へ引き込みます。また、在来種を中心とした植栽計画や生物の生息空間の形成により、地域の生物多様性に寄与します。さらに、桜と石垣の風景を継承するべく、敷地周辺の樹木を保存・再移植し、地域の大切な財産を未来へとつないでいきます。

広場イメージ(イベント時)

桜・石垣を活用した歩行者空間イメージ

本計画建物は、日本の玄関口である品川駅前という象徴的な立地にある開発であることから、環境への配慮をより一層重視した取り組みについても推進していきます。オフィス部分においては、建築分野で世界的に最も普及している環境認証システムの1つである、米国グリーンビルディング協会(USGBC®)によるLEED®(Leadership in Energy and Environmental Design™)の新築を対象とした「LEED® for Building Design and Construction:Core and Shell Development(LEED® BD+C:Core and Shell)」においてGOLDランクの取得を目指します。

また、大規模災害などの緊急事態を想定した業務継続計画(BCP)の策定にも取り組んでおり、大規模災害等発生後におけるオフィス業務の継続や来街者への対応に備え、電気・ガス途絶時における在館者や地域住民の滞在・使用を想定した一時滞在施設・スペースや防災備蓄倉庫の整備などを計画しております。

【品川駅西口地区(高輪3丁目地区)におけるこれまでの経緯】

2020年 4月 本地区における当社開発にトヨタを共同事業者として迎えることをお知らせ(協定締結)

2022年 1月 「品川駅西口地区まちづくり指針(高輪三丁目地区)」策定

2022年11月 東京都より「品川駅西口地区地区計画」を変更する都市計画が告示

2023年 6月 URが施行者として進める「品川駅西口土地区画整理事業」が国土交通大臣より事業計画認可

2024年 2月 「品川駅西口土地区画整理事業」における仮換地指定がなされる

2024年 3月 トヨタと当該土地持分の一部譲渡および品川駅西口地区のまちづくり推進のために共同で本計画建物を建設・運営することに関する契約を締結

【設計概要】

計画地 東京都港区高輪三丁目417番31(品川駅西口土地区画整理事業A街区1区画、2区画) 事業主体 京浜急行電鉄株式会社、トヨタ自動車株式会社 基本設計 株式会社日本設計 実施設計 大成建設株式会社一級建築士事務所 施工 大成建設株式会社東京支店 主要用途 オフィス・商業・ホテル・MICE(コンファレンス、多目的ホール)等 敷地面積 23,584m2 延床面積 311,802m2 階数 地上29階・地下4階 建物高さ 152m 竣工 2029年(予定)

計画敷地(緑部分)

用途(イメージ)

国際交流拠点として、これからの日本の成長を牽引するエリアへと大きく変貌を遂げつつある品川駅周辺では、現在、多くの開発プロジェクトが活発に進められています。京急電鉄は、他の事業者や地域の皆さまと力を合わせながら、品川駅に近接し、立地に優れる(仮称)品川駅西口地区A地区や品川駅街区地区を中心に、魅力ある新しいまちづくりを積極的に推進してまいります。

また、品川駅の地平化や、駅付近における連続立体交差事業などを通じて鉄道アクセスの向上を図ることで、品川の価値向上と持続的な発展に貢献してまいります。

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