Z世代の心を動かすのは“きれいごと”ではない 課題を開示し続ける企業が築く信頼と透明性
先行研究では、このような消費者の心理や行動原理を「prove—not promise(約束ではなく証明を)」と表現している。 すなわち、消費者は理念やスローガンへの共感よりも、「その実態が本当に伴っているのか」という疑念に応えることを企業に求めているという傾向があると指摘している。 たとえば、フェアトレードや再エネ100%の表示、トップメッセージの一貫性、外部認証など、第三者が検証可能な根拠(evidence)といったものが必要になるだろう。 さらに先行研究によれば、消費者は企業がどのような理想を掲げるかよりも、その約束を守り続けるかどうか=行動の一貫性(follow-through)に敏感に反応するとされる。 これらの点から見れば、社会的・環境的価値への共感だけでなく、「裏切らない誠実さ」が信頼を左右しているようにも見える。 特にSNSを通じて日々大量の情報に接する若年層にとって、ブランドへの信頼は「他者の評価によって確かめられること」に大きな意味を持つと思われる。 ミドル・シニア世代と比べて社会的な価値意識が形成過程にあり、SNS世代でもある若年層においては、確認できる透明性が信頼の判断軸となっている可能性があると言える。 ■御社のブランドは澄んでいるか?-鍵となるのはブランド透明性 ここで鍵となるのが、「ブランド透明性(brand transparency)」の概念である。 先行研究によれば、ブランド透明性とは「消費者が企業の情報を自分の目で確かめられる構造」を指す。これは単なる情報開示にとどまらず、次の3つの次元から構成されるとされている。 1.観察可能性(Observability) 内容:企業の内部情報やプロセスをどれだけ見える化しているか。 具体例:原材料のトレーサビリティ、製造工程の公開など。 2.理解可能性(Comprehensibility) 内容:情報が一般の消費者にも理解しやすく整理されているか。 具体例:専門用語を避けた説明、比較可能な指標の提示など。