令和の忘年会、「ランチ」も選択肢に 若手ほど会社関係へ意欲 全世代では友人とが中心
忘年会を巡る消費行動に変化がみられる。リクルートの外食市場に関する調査機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行った「令和版・理想の忘年会調査」で、忘年会があると回答した人のうち、会社・仕事関係の忘年会に参加したい人は36・9%にとどまった。友人との会は74・6%が参加を希望し、プライベートを重視する姿勢が浮かびあがった。若手ほど会社の会への参加意欲は高く、ランチ忘年会や開催場所も多様化しているという。
若年層ほど高い参加意欲
年代別にみると、会社関係の忘年会への参加意欲は20代で41・8%、30代で43・0%と、若い世代ほど高い傾向にある。40代は37・1%、50代は31・8%、60代は32・0%にとどまり、参加を控える層が増えた。
ホットペッパーグルメ外食総研の田中直樹所長は「よく指摘される『若手のお酒のコミュニケーション離れ』については、今回の結果からは一概に当てはまらない」と説明する。
友人知人との忘年会では、全年代で7割以上が参加への意欲を示した。60代が79・9%で最も高く、40 代が76・9%、30 代が75・5%、50 代が70・1%、20 代が70・0%ーで続いた。
昼開催やカフェも選択肢に
会場選びでも多様化が進む。会社関係では依然として「居酒屋」が主流であるものの、0次会や1次会では「和食料理店」や「中華料理店」に加え、「喫茶店・カフェ」を選ぶ人が増えているという。
開始時間も広がっている。正午~午後1時に始めて午後3時頃に解散する「ランチ忘年会」を希望する層が一定数みられた。従来は午後6~7時台が中心だった。
親睦だけでなく「食」重視も
忘年会の目的も変化している。「同僚との親睦」が最多だった中で、「普段食べられない料理を楽しむ」「思い切り食べる」などの回答もあった。
田中所長は「世代や性別で『きっとこうだ』と決めつけるのではなく、メンバーとのコミュニケーションを通じて、それぞれにあった忘年会スタイルを探ることが令和の忘年会だ」と話す。
調査は2025年10月31日~11月1日にインターネットで実施。全国の20〜60代の男女1035人の有効回答から算出した。