BEYOOOOONDS島倉りか、武道館で卒業「ハロプロは想像していたより大変でカッコいい場所」(ライブレポート / 写真15枚)
BEYOOOOONDSの単独コンサート「BEYOOOOONDS CONCERT 2025 SPRING ~Take Me Out To The BUDOOOOOKAN!『Treasury Island』~」が本日6月9日に東京・日本武道館で開催され、本公演をもってメンバーの島倉りかがグループおよびハロー!プロジェクトを卒業した。
2000年8月20日生まれ、東京都出身の島倉は2017年にハロプロ研修生に加入。翌2018年にBEYOOOOONDSでの活動をスタートさせた。昭和歌謡好きという特徴を生かし、多方面で活躍してきた中、語学を勉強し視野を広げるための留学や、昭和歌謡やポップスを歌うという新たな夢の実現に向けて卒業を決意。5月にスタートしたコンサートツアーのファイナルとして開催された日本武道館公演には約1万人のファンが集まり、さらにCSテレ朝チャンネルで行われた生中継の視聴者、日本全国と台湾の映画館で実施されたライブビューイングの観客も彼女のBEYOOOOONDSとしてのラストステージを見届けた。
島倉を中心に繰り広げられる優雅で熱いパフォーマンス
白の衣装に身を包んだBEYOOOOONDSは、小林萌花によるピアノの伴奏に合わせて「Oh!カンターレ」を1曲目に歌唱。頭上でシャンデリアがきらめき、馬車が置かれたゴージャスなセットのステージから歌声を響かせ、優雅にライブの幕を開けた。ストーリー形式のコンサートの中で主人公のお嬢様として存在感を放つ島倉は「1人ひとりの方に届くように、しっかり1曲1曲を歌います」と、ステージからの景色を噛み締めるようにして意気込みを口に。その言葉の通り10人は「英雄~笑って!ショパン先輩~」「Never Never Know~コメ派とパン派のラブウォーズ~」などで充実のパフォーマンスを繰り広げ、島倉をフィーチャーした演出を随所にちりばめながら観客を楽しませた。
島倉、西田汐里、江口紗耶の3人によるグループ内ユニットCHICA#TETSUの楽曲「二年前の横浜駅西口」や、クリエイターとのコラボによりアイドルの"歌力"を発信するプロジェクト「月刊偶像」の楽曲としてリリースされた「泡沫ライラック feat. 島倉りか(BEYOOOOONDS / CHICA#TETSU)」も披露され、島倉にとっての集大成のようなセットリストでライブが進行していく。カジュアルな衣装に着替えたあとは最新シングル「Do-Did-Done」や、観客と息をそろえてカスタネットを鳴らしまくるのが恒例の「涙のカスタネット」を通して会場の一体感が膨れ上がっていった。
コンサートが後半戦に突入すると、BEYOOOOONDSは「アツイ!」「Hey!ビヨンダ」などのライブの鉄板曲を連発。メンバーの前のめりなパフォーマンスを受け、観客のコールにもより一層力が入る。「ニッポンノD・N・A!」間奏のセリフパートでは島倉が「このステージから見える景色、一生忘れません!」と叫び、盛大な歓声が沸き起こった。
島倉が手紙を通して届けた思い
公演本編が終了すると、島倉のイメージカラーであるラベンダーのペンライトの光で客席一面が鮮やかに染まる。観客の「りかちゃん!」コールを受け、島倉は白のドレスやラベンダーの花冠を身に着けて1人でステージへ。手紙を取り出すと、「このハロー!プロジェクトでアイドルができてとても幸せでした。アイドルなんて雲の上の存在で、自分がなるとはまったく想像をしてこなかった人生でしたが、家族が応募してくれたオーディションをきっかけに、こんなに素敵な未来になりました。ハロプロは想像していたよりも、大変で、カッコいい場所でした。アイドルのプロフェッショナルを学びました。どんなときも笑顔でステージに立つ皆さんを何度も見てきました。とっても尊敬します。そんなカッコいい場所で活動ができたことを誇りに思います」と言葉を紡いだ。
さらに島倉は「私はこれから、昭和の楽曲を広める活動を中心に、歌を歌っていきます。個性豊かなメンバーのおかげで見つけられた私の個性をこれからも大切にして、卒業後も歩みを止めず、メンバーたちに誇れる活動をしていきたいです」と自身の未来へ思いを馳せ、「今、私は BEYOOOOONDSをやりきったと感じています。それってとっても幸せなアイドルですね。私も皆さんの幸せを祈っています。たくさんのいいことが皆さんの身の回りにたくさん起こりますように」と柔らかい微笑みを客席に向けた。そして手紙を読み終えると、彼女は筒美京平が作詞したBuono!の楽曲「星の羊たち」を歌唱。ミラーボールの光でまばゆく照らされた会場に昭和歌謡テイストのサウンドと、透明感あふれる島倉の歌声が広がる。曲のアウトロではメンバーが1人ずつ島倉と向き合い、胸からあふれてくる万感の思いを涙ながらに伝えた。
「お電車が来ましたわ。それでは、ごきげんよう♡」
その後ステージに10人で並び立ったBEYOOOOONDSは、セットリストの1曲目から改めてダイジェストで楽曲を披露する“全曲振り返りメドレー”を開始。セットリストになかった松田聖子「青い珊瑚礁」を島倉が伸びやかに歌い上げるシーンもあり、感動的なムードの中でもBEYOOOOONDSらしいコミカルなライブ演出が際立つ。続いて披露された「眼鏡の男の子」では冒頭のお決まりの寸劇で、「島倉さん、このホームに立つのも今日で最後。私、さみしいです!」「私も、その節はお世話になりました。このホームではいろんなことをやらされましたわね」「島倉さんと通ったこのホーム、すべていい思い出です!」「お忘れにならないで。私はあなたの心の中だけの女」という岡村美波と島倉による貴重なやりとりが繰り広げられた。
そんな華やかなコンサートのラストを飾ったのは、CHICA#TETSUの楽曲「都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて」。島倉は「これからもみんなのこと、深く深く深く愛しています」とファンに愛を伝えた。さらに客席に放たれたラベンダーと銀色のテープがこの特別な瞬間を彩り、スクリーンに映し出された「お電車が来ましたわ。それでは、ごきげんよう♡」という島倉からのメッセージが大きな余韻を会場に残した。
この記事の画像(全15件)
セットリスト
「BEYOOOOONDS CONCERT 2025 SPRING ~Take Me Out To The BUDOOOOOKAN!『Treasury Island』~」2025年6月9日 日本武道館
01. Oh!カンターレ02. 恋する銀河03. 英雄~笑って!ショパン先輩~04. 恋のおスウィング05. Never Never Know~コメ派とパン派のラブウォーズ~06. 循環 / 雨ノ森 川海07. 二年前の横浜駅西口 / CHICA#TETSU08. マイ・ファースト・ピアス09. ワタシと踊りなさい! / SeasoningS
10. 泡沫ライラック feat. 島倉りか(BEYOOOOONDS / CHICA#TETSU)
11. 7年バンジージャンプ12. Do-Did-Done13. 恋愛奉行14. 涙のカスタネット15. フレフレ・エブリデイ16. Go Waist17. アツイ!18. Hey!ビヨンダ19. 虎視タンタ・ターン20. 灰 to ダイヤモンド21. ニッポンノD・N・A!22. あゝ君に転生<アンコール>23. 星の羊たち24. 全曲振り返りメドレー25. 眼鏡の男の子26. 都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて / CHICA#TETSU