オラクルとオープンAI、米でのスターゲート拡大で合意-関係者
オープンAIは、人工知能(AI)インフラ投資プロジェクト「スターゲート」の一環として、オラクルのデータセンターから大量の演算能力を借り受けることで同社と合意した。先端AI製品に多大な演算能力が必要なことを浮き彫りにした。
事情に詳しい複数の関係者によれば、オープンAIは米国内で、オラクルのデータセンターから合計約4.5ギガワットの電力容量が必要な演算能力を追加で借り受ける予定。関係者らは、情報が非公開だとして匿名を条件に語った。
この電力容量は米国の数百万世帯の家庭に電力を供給できる前例のない規模となる。1ギガワットはおよそ原子炉1基分に相当し、約75万世帯の電力を賄える計算だ。
オラクルは今週、年間収入で300億ドル(約4兆3100億円)規模のクラウド契約を締結したと発表したが、顧客名は公表していない。関係者によると、今回のスターゲート絡みの合意がこの契約の少なくとも一部を占めるという。
スターゲートはオープンAIとオラクル、ソフトバンクグループが共同で進める総額5000億ドル規模のAIインフラ投資プロジェクトで、今年1月、ホワイトハウスで公表された。
関係者の話では、オープンAIからの追加の需要に応えるため、オラクルはパートナー企業と協力して全米各地に複数のデータセンターを新設する。テキサスやミシガン、ウィスコンシン、ワイオミングなど各州が候補地として検討されているという。
オラクルはまた、テキサス州アビリーンにあるデータセンターの電力容量を現在の1.2ギガワットから約2ギガワットに拡張する予定。オープンAIはニューメキシコ、ジョージア、オハイオ、ペンシルベニアの各州でのデータセンター開発も検討していると、関係者の1人は語った。
これらの新プロジェクトはいずれもスターゲートの一環となるが、計画の詳細は今後変更される可能性もあると、計画に詳しい関係者は述べた。オープンAIはこの計画を巡るコメントを控えた。オラクルにもコメントを求めて連絡を取ったが、これまで返答は得られていない。
この報道を受けて、オラクルの株価は5%高の229.98ドルと上場来高値で取引を終えた。年初来では38%上昇しており、同社のクラウド事業に対する投資家の期待が反映されている。
データベースソフトで知られるオラクルは近年、AI関連顧客などにインターネット経由で演算能力・ストレージを提供する市場で存在感を強めている。今週発表があった300億ドルの契約は、同社のクラウドインフラ事業全体の現行規模を上回る。
原題:Oracle, OpenAI Expand Stargate Deal for More US Data Centers (2)、Oracle, OpenAI Expand Stargate Deal for More US Data Centers(抜粋)