NY市場サマリー(3日)ユーロ/ドル小幅高、長期債利回り上昇 ナスダック・S&P終値最高値
<為替> ユーロが対ドルで小幅に上昇した。フランスの政治不安が注目される中、一部の市場参加者の間では危機が終息に近づいている可能性があるとの見方が出ている。
韓国の尹錫悦大統領が3日夜に「非常戒厳」を宣言したことを受け、韓国ウォンは一時対ドルで約2年ぶりの安値を更新した。その後、尹大統領が非常戒厳の解除を表明したことで、ウォンは下げ幅を縮小した。
フランスでは4日にも内閣不信任決議案が審議される見通し。
終盤の取引で、ユーロ/ドルは0.1%安の1.0507ドル。
ウォンは1%安の1ドル=1418.35ウォン。一時は1443.40ウォンと、2022年10月以来の安値を付けた。
ウォンは対円で一時、2023年5月以来の安値を更新した。
ドル/円は149.55円に下落。市場では、日銀が今月の会合で利上げを決定するとの観測が高まっている。
NY外為市場:
<債券> 長期国債利回りが上昇した。米10月雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が予想を上回る増加を示したことが背景。
ただ、韓国の尹錫悦大統領が3日夜に「非常戒厳」を宣言したことを受け、アジアの地政学的リスクを懸念して安全資産を求める投資家が国債を選好したため、短期ゾーンへの需要は依然として高かった。
指標となる米10年国債利回りは0.5ベーシスポイント(bp)上昇し4.199%となった。
一方、2年国債利回りは4.7bp低下して4.151%となった。
2年債と10年債の利回り格差は4.6bpに拡大した。
CMEのフェドウオッチによると、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25bpの利下げが行われる確率は72%。2日終盤の75%からやや低下した。
DRWトレーディング(シカゴ)のストラテジスト、ルー・ブライアン氏は「韓国の上場投資信託(ETF)から資金が流出しているもようで、安全資産として米国債に若干の買いが入った可能性がある」と指摘した。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.383%、10年物が2.292%だった。
米金融・債券市場:
<株式> ナスダックとS&P総合500種が終値ベースの最高値を更新した。米雇用統計の発表を控え、ハイテク株が引き続き買われた。 ダウ工業株30種は小幅下落した。
市場関係者は、連邦準備制度理事会(FRB)の政策担当者らによる明るいコメントも消化した。政策担当者2人はインフレ率はFRBの目標である2%に向かって低下し、雇用市場は「堅調」であるとの見方を示した。
6日に発表される米雇用統計など雇用関連指標に加え、米供給管理協会(ISM)サービス部門の統計にも注目が集まっている。
マーフィー・アンド・シルベストのシニア・ウェルス・アドバイザー兼市場ストラテジスト、ポール・ノルティ氏は「市場はISMと雇用統計というビッグデータを待っている」と語った。
CMEのフェドウォッチによると、市場は現在、17─18日のFOMCでFRBが25bpの利下げを行う確率を約72%と予想している。
米国株式市場:
<金先物> 対ユーロでのドル安などを背景に買われ、反発した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比9.40ドル(0.35%)高の1オンス=2667.90ドル。
外国為替市場では対ユーロでドル売りが優勢。ドル建てで取引される商品の割安感につながり、金塊が買われた。今月17─18日に行われるFOMCで追加利下げが決定されるとの観測も金を支えた。
NY貴金属:
<米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」が自主減産の縮小を先送りするとの観測が強まる中、中東情勢の緊迫化をにらんだ買いが入り、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物は前日清算値(終値に相当)比1.84ドル(2.70%)高の1バレル=69.94ドルだった。2月物は1.70ドル高の69.54ドル。
OPECプラスは5日に開催する閣僚級会合で、当初は2025年1月に予定していた自主減産の縮小を25年第1・四半期末まで延長する公算が大きい。市場関係者らの間では、25年4月まで自主減産を継続する可能性があるとの声も上がっており、相場は午前にも供給懸念からじりじりと上値を拡大した。
一方、市場はイスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラを巡る停戦の行 方にも注目。イスラエルのネタニヤフ首相は3日、ヒズボラとの停戦合意を順守すると発言する一方で、停戦は戦争終結を意味するものではないと警告した。ヒズボラは2日にも、イスラエルの軍事関連拠点を標的に「警告攻撃」を加えたと発表していた。
NYMEXエネルギー:
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