米、メキシコ産トマトの大半に約17%関税 合意離脱で
[ワシントン 14日 ロイター] - 米商務省は14日、メキシコ産生鮮トマトに対する反ダンピング(不当廉売)調査を一時停止する合意から離脱し、同国からの輸入トマトの大半に17.09%の関税を課すと発表した。
商務省は声明で、反ダンピング関税率はメキシコ産トマトが米国で不当に安く販売されている割合に基づいて設定されたとした。
米国はトマト輸出を巡る合意から離脱する意向を4月に表明。メキシコ側は合意を更新できると自信を示していた。
同合意はメキシコからのトマト輸出を規制し、不公正な競争に関する米側の懸念に対応するため1996年に初めて締結され、最近では反ダンピング調査を回避し関税を巡る対立を終結するため2019年に更新されていた。
ラトニック米商務長官は14日、「トマトなど農産物の価格を下落させる不公正な貿易慣行により、わが国の農家はあまりにも長い間苦しめられてきた」と述べた。
メキシコの農業・農村開発省と経済省は共同声明で、米国の決定は「不当」で、メキシコの生産者や米産業の利益に反すると表明。国内生産者が関税停止を模索するのを支援するとともに、新たな海外市場開拓も支援する方針を示した。また、メキシコ生産者が米国にとってポジティブな提案をしたにもかかわらず、「政治的な理由」で拒否されたと主張した。
公式統計によると、メキシコは昨年33億ドル相当のトマトを輸出し、大部分が米国向けだった。
米国で消費されるトマトのうちメキシコ産は3分の2を占める。
バハカリフォルニア州やシナロア州を含むメキシコの5つの農業団体は、解決策を見つけるためメキシコ政府と協力すると表明。「短期的にも中期的にも、過去120年にわたる革新と努力で築き上げてきた市場において、メキシコ産トマトに取って代わる国は世界には存在しない」と声明で述べた。
14日の発表を前に、一部の専門家や米民主党議員らは、関税により製品の価格が上昇すると警告していた。
一方、トマトの主要生産地である米フロリダ州の生産者を代表するフロリダ・トマト取引所は合意離脱を歓迎。「この決定は、不公正なメキシコ貿易慣行から勤勉な米トマト生産者を守り、トランプ政権が米国の農業にとって公正な市場を確保することに尽力しているという強いメッセージとなるだろう」と述べた。
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Kanishka Singh is a breaking news reporter for Reuters in Washington DC, who primarily covers US politics and national affairs in his current role. His past breaking news coverage has spanned across a range of topics like the Black Lives Matter movement; the US elections; the 2021 Capitol riots and their follow up probes; the Brexit deal; US-China trade tensions; the NATO withdrawal from Afghanistan; the COVID-19 pandemic; and a 2019 Supreme Court verdict on a religious dispute site in his native India.