カタールから寄贈の機体を改修、新型「エアフォースワン」は米大統領が直面する脅威に対応できるのか?

メリーランド州にあるアンドルーズ統合基地で、トランプ大統領を乗せた新しい「エアフォースワン」が他の航空機を前にして着陸する様子=1日/Kylie Cooper/Reuters

(CNN) トランプ米大統領は先週、訪問先のトルコを出発する際、35年前に導入された改造型ボーイング747に搭乗した。先ごろ大々的にお披露目され、駐機場の向かい側に止まっていた新型エアフォースワン(大統領専用機)は使用しなかった。

この判断を受け、カタールから寄贈された新専用機に対する厳しい目が向けられている。同機は異例ともいえる短期間で改修が行われたため、重装備の「空飛ぶホワイトハウス」として機能するために必要な通信、安全保障、防衛機能のアップグレードが行われたのかを疑問視する声が上がっている。

今回の飛行は、米国がトルコと国境を接するイランへの攻撃を実施する中で行われた。

トランプ氏は旧型機で離陸後、「我々が相手にしなければならない卑劣な連中のせいで」エアフォースワンは「危険な飛行機」になり得ると述べ、「彼らは常軌を逸しているので、そうした事態も考えられる」と語った。

CNNの取材によると、トランプ氏に対する具体的かつ新たな脅威は確認されていない。だが、トランプ氏は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の際、イランによる暗殺計画の可能性に言及していた。

カタールが保有していた同機は、約1年間にわたる改修を経て、7月初めにトランプ氏が初めて搭乗した。

共和党上院議員の一部は、同機の受け入れについて安全保障上および法的なリスクがあるとして懸念を表明していた。また、トランプ氏が退任後にこの機体を自身の大統領図書館へ移管する意向を示したことも、倫理面で議論を呼んだ。

トランプ氏は6月19日に同機をお披露目した際、「これまでに造られたことのない飛行機であり、今後も二度と造られないだろう」と述べた。

ただ、改修が急ピッチで進められたため、一部の航空・安全保障の専門家からは、大統領専用機として運用を開始する前に重要なアップグレードが完了したのか疑問視する声が出ている。

新たな「エアフォースワン」となる機体がタッチ・アンド・ゴーの訓練を行う様子=6月22日、メリーランド州のアンドルーズ統合基地/Andrew Leyden/Getty Images/File

専門家が指摘する主な違い

エアフォースワンに関する詳細の多くは機密扱いとなっているが、ジョージ・H・W・ブッシュ政権時代に納入されたボーイング747-200と比べると、明らかな変更点がいくつかある。

新型機はボーイング747-800で、塗装デザインが変更され、機体は大型化された。燃費効率の高いエンジンを搭載し、航続距離も長い。

ホワイトハウスは防衛面のアップグレードについて詳細を公表していないが、改修は外観ではなく重要システムに重点を置いたものだったと説明している。

ある政権高官はCNNに対し、「以前の国家元首仕様の内装への変更を最小限に抑えることで、空軍は安全保障、安全性、保護された通信に関するいかなるリスクも冒すことなく、機体を迅速に配備した」と述べた。

だが専門家の中には、約1年という改修期間では、脅威度の高い空域で運用するために必要な防護能力を十分に備えられなかった可能性があると懸念する声もある。

トランプ氏は7月4日までに新型機を運用させることを望み、7月3日にノースダコタ州ビスマークで開かれたセオドア・ルーズベルト大統領図書館の開館式に出席するため、初の飛行を行った。

バイデン政権下で空軍長官を務めたフランク・ケンドール氏はCNNに対し、「納期ありきの改修だった」と指摘した。

「そのため、通常のエアフォースワンに搭載されている多くの機能を省かざるを得なかったはずだ」とし、「大統領に必要な機能をすべて追加しなければならず、本来は膨大な時間と費用がかかる。そこで、彼らは限られた時間でできる範囲のことをした」と述べた。

新型機にどのような防御システムが搭載されているのかは明らかになっていない。ノースダコタ州への飛行には不要かもしれないが、中東での飛行は異なる脅威をもたらす可能性がある。特に、現在も続く戦争でミサイルが飛び交っている状況ではなおさらだ。

一般的なボーイング747には対ミサイルシステムは搭載されていないが、旧型の大統領専用機にはそれらの装備が備わっていると広く考えられている。

エアフォース・ワンの尾翼=2018年12月/Department of Defense
新たなエアフォースワン=2026年7月4日/US Air Force

機体の写真を分析した航空専門家は、新型機には指向性赤外線ミサイル防御システムに伴う尾部への外部的な改修が見当たらないと指摘している。ただし、外観だけでは実際にどの装備が搭載されていて、どの装備が搭載されていないのかを断定することはできない。

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